メニューをスキップ 日本ユニセフ協会
HOME > 協会からのお知らせ2012年

ユニセフ協会からのお知らせ

ユニセフ・イノチェンティ研究所 最新報告書発表
子どもの貧困削減を政策の優先課題に

【2012年5月29日 ニューヨーク発】

ユニセフの研究機関であるイノチェンティ研究所が発行する、先進国の子どもたちの状況を調査・分析した報告書シリーズ、『Report Card』の最新版である『Report Card 10-先進国の子どもの貧困』が、5月29日(火)、ユニセフ本部より発表されました。今回の報告書の主要テーマは、「子どもの貧困」。先進国と言われる国々の社会の中で取り残されている子どもたちの存在を明らかにし、また、同レベルの経済状態にある国々を比較することで、それぞれの国の子どもに対する政策や福祉の状況を浮き彫りにしています。

この報告書では、異なる2つの指標によって、先進国の子どもの貧困状況を分析しています。

(1)子どもの剥奪状態(child deprivation)

ヨーロッパの29ヶ国を対象に、 “1日3度の食事”、“学習のための静かなスペース”、 “インターネット接続”といった14の基本条件のうち、2つ以上が欠けている場合を剥奪状態にあると定義して、各国で剥奪状態にある子どもたちの割合を算出しています。

最も高い数値を示しているのは、ルーマニア、ブルガリア、ポルトガルといった国々で、それぞれ70%以上、50%、27%以上という数値が報告されています。またフランスやイタリアのような国でも、10%以上という結果が出ています。

(2)子どもの相対的貧困(child poverty)

本文p.3の表より

日本を含む先進35ヶ国を対象に、”等価可処分所得*の中央値の50%以下”と定義するその国の「貧困ライン」以下で暮らす子どもたちの割合をもとに分析されています。

北欧諸国やオランダは、子どもの貧困割合は低く、いずれも7%前後。オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、イギリスは10—15%の間、ルーマニアと米国では、20%以上の子どもたちが貧困の中で暮らしています。日本は、14.9%(約305万人)。35ヶ国の中で、相対的貧困率の高い方からから9番目にランクされています。

*等価可処分所得・・・世帯の可処分所得を世帯員数の平方根で割った値

本報告書では、総体的な数値だけでなく、貧困の深刻さや、社会保障制度の効果を測る数値を用いながら、子どもの貧困の状況を各国政府が継続的に監視し、政策の優先課題として子どもの貧困削減に取り組むべきであると訴えています。

■関連動画

[youtube]Child Poverty in Rich Countries: Report Card 10

トップページへ先頭に戻る