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HOME > 協会からのお知らせ2013年
公益財団法人 日本ユニセフ協会

日本ユニセフ協会からのお知らせ

11月19日は国連初の「世界トイレの日」
世界のトイレ問題の解決には 草の根運動が重要

【2013年11月19日 東京発】

© UNICEF/MLWB2010-274/Noorani
トイレ代わりに使っているしげみの様子をみる住民たち(マラウイ)

世界の人口約69億人のうち3分の1以上にあたる25億人が、いまなおトイレが使えません。

11月19日「世界トイレの日」にあたり、ユニセフは、トイレが使えないことは子どもの健康と成長に深刻な影響を及ぼしていると指摘しています。そして、コミュニティ内にあるギャップを埋めることが重要であると強調しています。

1990年以降、約19億人が改善されたトイレを使えるようになりました。しかし、2011年時点で世界の人口の36%、およそ25億人がトイレを使えていません。

ユニセフのサンジャイ・ウィジェセケラ水と衛生事業担当部長は「トイレが使えるか、といったことは、経済的に豊かな国の中であっても、口にすることが憚られる実態があります。しかし、こうした状況が明らかになってないからと言って、問題でないということではありません。その逆で、明らかにされていないことが問題なのです。トイレが使えないことで、毎日、子どもが命を落とし、おとなは病気にかかり、成長は鈍化しています」と述べています。

ユニセフが今年発表した統計によると、安全な水やトイレ、衛生習慣がないことで、5歳未満の子どもたちが下痢を患い、その結果、毎日約1,600人の子どもたちが命を失っていることがわかりました。

トイレを使えない人たちが屋外排泄をやめ、トイレを使えるようになるために、ユニセフは、これまで社会的な変化を起こすべく、活動してきました。“包括的な衛生についてのコミュニティ中心のアプローチ(以下CATSと記載 :Community Approaches to Total Sanitation)”プログラムでは、コミュニティが自ら屋外排泄をやめるための方法を考え、実践し、屋外排泄をなくしてきました。これまでに計50の国でCATSが行われ、多くの政府が自国の政策に同様のアプローチを取り入れています。

こうした進展がある一方で、トイレや屋外排泄を話題にすることがタブーであるといった実情を踏まえ、国やコミュニティ、個人が問題を正面から議論し、ともに取り組む必要があると、ウィジェセケラ部長は指摘しています。

CATSは、住民自身が決定を下し、解決策を考えるため、綿密に行われます。屋外排泄を根絶し、トイレを使えるようにするため、より多くの政府やコミュニティがこの方法を採用していることから、水に関係する感染症の削減といった恩恵をうけている人たちは増えています。

■ユニセフや各国での取り組み

© UNICEF/NYHQ2012-2154/LeMoyne
トイレにふたをしようとする女の子(ギニアビサウ)

ユニセフはウェブサイトで「No access」キャンペーンを実施。屋外排泄やトイレが使えないといった問題への意識啓発を目指しています。www.unicef.org/toilets4all

インドは、2011年時点で人口の約65%がトイレを使えておらず、6億2,000万人が屋外排泄をしています。ユニセフ・インド事務所は、ウェブサイト“www.poo2loo.com”(トイレでうんちを)を実施、ウェブサイトでは「(屋外排泄の)うんちのない国を」との宣言ができます。

マリでは、「世界トイレの日」に、ユニセフが政府衛生理事会などとともに衛生マーケティングプロジェクトを立ち上げます。

エリトリアでは、国中で屋外排泄がなくなった認定の祝典が行われます。

ウィジェセケラ部長は「排泄物への対処に対する変化を促す取り組みは “すべての人にトイレを”というゴールへつながるものです。達成するのは、容易なことではありませんが、確実に実現できます。21世紀を生き、健康な生活を望むのであれば、トイレが使えない状況が続くことは、決して容認されてはいけません」と述べています。

* * *

日本ユニセフ協会は「世界トイレの日」プロジェクトを発足。「多くの子どもの命を奪っているトイレの問題」を日本のみなさまに広く知っていただくため、11月19日に、昭和記念公園(東京都立川市)で“見えないトイレ”を設置し、イベントを開催します。

プロジェクト・ウェブサイト(worldtoiletday.jp/)では、「トイレのない生活とは?」 など映像を公開しています。

■参考情報

「世界トイレの日」
11月19日は長きにわたって「世界トイレの日」とされてきましたが、本年7月の国連総会で、国連が「世界トイレの日」であると定めました。

国連ミレニアム開発目標では、改善されたトイレが使えない人の割合を、1990年時点の51%から達成期限である2015年までに25%に削減することが掲げられています。しかし、1990年以降、およそ19億人の人がトイレを使えるようになったにもかかわらず、2011年時点でトイレが使える人の割合は64%であり、残り39%(約25億人)はトイレが使えません。

改善されたトイレとは、排泄物に触れることなく衛生的に処理されるトイレを指しています。また、下水管に接続されたトイレ、汚水処理タンク方式のトイレ、水洗トイレ、換気口付ピット式改良型トイレ、覆い板付きピット式トイレ、蓋付きピット式トイレを指しています。

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