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ユニセフ・イノチェンティ研究所発表
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© UNICEF/NYHQ2008-0204/Rasoamanana |
サイクロンの被害にあい、自宅から避難する家族(マダガスカル) |
本報告書は、専門家や科学者、開発関係者、保健や栄養、子どもの権利の専門家ら40人によるもので、子どもを脅かす世界的な脅威が加速していること、また子どもたちを直接取り組みに巻き込むことを含めて、子どもの権利に基づく包括的なアプローチを直ちに具現化することなどを、詳しく述べています。
ユニセフ・イノチェンティ研究所所長のマリー・クロード・マーティンは「今日の子どもと若者は、気候変動による今後の影響に対処しなければならない世代です。つまり、今後数10年内に温室効果ガス排出を大幅に削減することから逃れられない世代です。しかし、ハイレベルの気候交渉では、この世代は、長い間その存在を無視され、考慮されてきませんでした。本報告書は、こうした不均衡を是正することを目指しています」
寄稿者は、開発途上国における気候変動に関する死亡の原因は、主な病気の媒介や自然災害のパターンの変化、食糧不足や安全な水とトイレの利用の欠如によって引き起こっていることを詳しく取り上げています。報告書は、今後10年で、南アジアとアフリカだけで、1億7,500万人の子どもが気候変動に関係する災害にあい、毎年25万人が死亡するとみています。
© UNICEF/NYHQ2011-1419/Zaidi |
洪水で浸水した道を歩く少女(パキスタン) |
報告書は、気候変動への取り組みにおいて、子どもと若者の関与が不可欠であると強調しています。これは、単に子どもが持つ「参加する権利」としてのみならず、政治的に困難な政策をこれまで繰り返し先送りにしてきたおとなよりも、気候変動に関して自分たちのコミュニティや国に独自に焦点を絞り続けることができるかもしれないことから、子どもと若者の関与が欠かせないとしています。
ほかの子どもの権利の観点からみると、気候変動は、世代間の公平さという概念がもたらす道徳的な課題を含んでいます。つまり、現在地球上で生活している人たちは、次の世代にどのようなリスクを引き渡すのか、ということです。
レーク事務局長は「気候変動は極めて大きな課題です。すべての世代が直ちに取り組まねばなりません。そして、この地球を受け継ぐ子どもたちを、気候変動に関する議論で排除されてきた最後の世代とすることが必要です。つまり、今後はすべての世代で気候変動について検討し、関与していかねばなりません」と述べています。
報告書は、子どもたちへのさらなる投資の機会が重要になるとの指摘もしています。例えば、規模の経済を作ること、今、投資をすることで将来かかるコストを削減すること、また、すべての気候変動に関する投資でおそらく最も重要であるにもかかわらず、現時点で最も軽んじられている子どもへの教育プログラムへの投資があげられています。
■ユニセフ・イノチェンティ研究所について
ユニセフ・イノチェンティ研究所(UNICEF Office of Research - Innocenti)は、世界の子どもたちの権利を推進するユニセフのアドボカシー(政策提言)活動を支え、また現在および将来におけるユニセフの活動分野を特定し研究するため、1988年、イタリアのフィレンツェに設立されました。その主な目的は、子どもの権利に関する様々な問題について国際社会の理解を深めること、世界各国において子どもの権利条約が完全に履行されるよう促進することです。
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