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FNSチャリティキャンペーン

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※上記リンクは、FNSチャリティキャンペーン事務局HP(外部サイト)となります。

国の概要

■ 支援対象国 モザンビーク

モザンビークは、アフリカ大陸の南東部、マダガスカルの対岸にある海岸2,500㎞をインド洋に接する国です。経済的に大きなつながりを持つ南アフリカをはじめ 6カ国と国境を接します。 そのうち4カ国は内陸国のため、港を持つモザンビークは周辺国の貿易拠点として地理的に重要な役割を担っています。豊富な天然資源に恵まれ、特に近年確認された天然ガスなど鉱物資源業は経済成長を牽引し今後の投資促進や雇用創出など経済効果が見込まれています。しかしその恩恵は未だ多くの人に届いていません。モザンビークは世界最貧国のひとつとされ、特に保健、教育、所得などの人間開発指数は189カ国中180位(UNDP, 人間開発報告書2019)と低迷しています。人口の大多数が天候に依存する農業に従事し、所得格差は大きくなってきています。地域の格差も広がっており、都市部と比較して農村部、特に中部や北部などの開発の遅れが顕著で貧困層が多く、基礎サービス等の拡充も必要とされます。

【気候変動】

気候変動は、自然災害や農作物の不作、栄養不良やマラリア、下痢症などの感染症の増加など、人々に大きな影響をもたらし、特に貧しい人々へ甚大な被害を及ぼします。
国連事務総長は、2019年に直撃したモザンビークの過去最大級のサイクロンについて、気候変動の「新たな警鐘」と述べています。

【自然災害】

モザンビークはアフリカで3番目に自然災害のリスクが高い国とされ洪水や中南部での干ばつなど複合的な自然災害の影響を受けています。特に2019年は過去最大級の自然災害とされる大型サイクロンの影響を2度も受けました。サイクロン「イダイ」は3月にモザンビーク中部の都市ベイラを襲い洪水の被害面積は東京都に匹敵するほどに及びました。周辺国の貿易拠点でもあるベイラ港の被害に加え、地域80万ヘクタールにおよぶ農地が洪水の被害を受けました。
続いて4月には北部にサイクロン「ケネス」が直撃、甚大な被害を及ぼしました。サイクロン「ケネス」は、都市部に水を供給する電力システムに大きな損傷を与え、遠隔地では大雨の影響で井戸が汚染され使用できなくなりました。サイクロン以降、コレラなど水に起因する疾病やマラリアのリスクが高まりました。また収穫の数週間前の耕地も被害を受け、食料難による栄養不足が重大な課題となっています。  復興までの道のりは長く、2019年12月時点で50万人以上もの人々が損壊した家屋などでの生活を余儀なくされ、92,500人が中部や北部71箇所の避難先で暮らしています。

ユニセフは、サイクロンの被害を受けた子どもたちと家族に人道支援を提供し、安全な飲み水、食糧、医療ケア、子どもへの教育や予防接種、栄養不良の検査、治療、またトラウマを抱えた子どもへのカウンセリングを提供するなど、緊急・復興支援を行っています。
また、モザンビークは自然災害に脆弱なため災害被害の軽減、対応能力の強化を含む防災の取り組みを政府やパートナー団体とともに進めています。

ユニセフでは児童婚を防ぐために、女の子が学校に入学し通い続けられるような支援、両親や子ども、コミュニティに対する児童婚を予防するための啓発活動や家族への経済的支援、政策面の整備の支援などを行っています。

【栄養】

モザンビークでは日常的に栄養を十分に取れない慢性栄養不良の改善が過去15年間ほとんど見られず, 5歳未満の子どもの43%がその状況下にあります。特に、北部地域は、南部の首都マプトの2倍にも及ぶなど栄養不良は深刻な課題になっています。人口の8割超が農業に従事し、天候に依存した農業生産は干ばつや洪水などの影響を受けやすく、凶作による食料難も理由のひとつです。不衛生な環境によって下痢疾患に陥りやすいことも理由にあげられます。乳幼児期の栄養の不足や偏りも一因です。命を守る母乳育児は6ヶ月未満の乳児のうち半数以下であり、バランスの取れた栄養摂取ができている生後6ヶ月から2歳の乳幼児の割合も13%以下にとどまっています。

栄養不良は人的・経済的に大きな代償を伴います。栄養不良の子どもは、身体の免疫力の低下により病気にかかりやすく、回復も困難になります。また、栄養不良がもたらす幼少期の脳や身体の発達の遅れは、その後も子どもたちの人生を脅かし続けます。そのため、栄養分野への投資は重要な開発優先事項とみなされるようになっています。

ユニセフは、保健施設が不足するコミュニティでも子どもたちを守れるように、子どもたちの身近な場所に栄養治療食や研修を受けた保健員の配備を進め栄養不良の予防、早期発見、治療に向けた取り組みを進めています。具体的には地域の栄養員による保護者への栄養指導(特に適切な栄養が必要とされる胎児期から2歳の子どもへの食事指導等)、妊産婦・子どもへの栄養補給(身体の免疫力を高めるビタミンAの投与等)、定期的な体重測定による栄養不良の予防と早期発見、命の危機に晒されている重度の栄養不良の子どもに対する特別な治療食によるケアなどが含まれます。

【母子保健】

5歳未満児の死亡率は過去20年間で改善が見られているものの、現在でも毎日5歳未満のこども320人がマラリアや呼吸器感染症、下痢などの予防や治療が可能な病気で命を落としています。子どもの死亡は新生児が3割以上を占め、妊産婦死亡率や新生児死亡率は過去10年間改善が停滞しています。栄養不良、マラリア、HIV/エイズが子どもの病気や死亡に深刻な影響を及ぼしています。乳幼児の命を守るには母親の健康状況の改善や出産時の安全な環境、特に農村部における妊産婦ケアへのアクセスが重要です。モザンビークでは半数以上の出産が十分な訓練を受けた保健員や助産師の付き添いがなく行われ、母子は命を守るサポートが得られていません。妊産婦70%が貧血の状況にあることも、生まれる子どもの低体重などに影響を及ぼします。

ユニセフは、地域や所得に関係なく、すべての子どもが人生最初の大切な保健サービスに適切にアクセスでき、予防や治療可能な原因で命を落とすことがなくなるよう活動を行っています。質の高い保健サービスが地域で提供できるよう地域レベルで保健所を設け、命を守る医薬品やワクチンなどを配備し保健従事者を育成しています。また、予防接種や衛生知識の普及なども進めています。

【数字で見るモザンビーク】 各種統計

出典:The State of the World‘s Children 2019

項目 モザンビーク 日本
総人口(2018年) 29,496,004人 127,202,190人
18歳未満人口(2018年) 15,237,810人 19,591,420人
5歳未満児死亡率(2018年) 73人/1000出生 2人/1000出生
5歳未満児死亡数(2018年) 79,000人 2,000人
乳児死亡率(2018年) 54人/1000出生 2人/1000出生
新生児死亡率(2018年) 28人/1000出生 1/1000出生
妊産婦死亡率(調整値)(2017年) 289人/10万出生 5人/10万出生
基本的な飲み水を利用する人の割合(2017年) 56%
(都市部84%、農村部40%)
99%
基本的な衛生施設(トイレ)を利用する人の割合(2017年) 29%
(都市部52%、農村部17%)
100%
出生時の平均余命(2018年) 60年 84年
出生登録率 2010–2018年 55% 100%

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