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財団法人日本ユニセフ協会

皆様のご支援で 活動のご報告

ユニセフ活動報告2004年

HIV/エイズとの闘い 女子教育
予防接種『プラス』 乳幼児総合ケア
子どもの保護 皆様からの募金

HIV/エイズとの闘い

「子どもたちが目に見えて変わっていくのがわかります。彼らの顔が輝くのを見ると、どんなに状況が困難でも、がんばって続けようと奮い立つ思いがするのです」

ユニセフ・ジンバブエ事務所
子どもの保護担当チーフ

ロン・ポウウェルズ

ジンバブエでユニセフは4万人のエイズ孤児を助けるために活動しています
各国では、学校でもHIV感染予防の取り組みが進んでいます

HIV/エイズの脅威を克服した例が各地から報告されはじめています。インドのムンバイにある病院では、生後2日のシリシュティが母に抱かれて眠っています。母は、HIVに感染していると告げられたばかりです。しかし、ユニセフの母子感染予防プログラム、つまり皆様のご支援により、シリシュティは、HIVに感染せずに生き延びるチャンスを手にすることができました。

◆ ◆ ◆

エイズによって親を失い孤児になった子どもたち。彼らの多くが、住むところから、学校の費用、カウンセリングまでユニセフの支援に支えられています。エイズ孤児たちの存在を登録する、学校に行けるようにする、エイズ予防教育を提供する、HIV/エイズに対する偏見を打ち破る・・・。これらの活動は目に見えた変化をもたらしています。たとえば、19歳のベック君の言葉にもそれは表れています。「希望を失わない限り、やり遂げられるってことが分かったよ」皆様のご支援が、子どもたちの希望を生かし続けています。

 HIV/エイズと闘う・・・

ユニセフは、現在、世界各地でHIV/エイズと闘っています。ユニセフは、若者が適切な情報を得たり、保健サービスを受けたり、予防のためのスキルを持つことができれば、彼らはHIV感染の悪循環を断ち切る最も効果的な存在になると考えています。若者達は、感染予防を手助けし、HIV/エイズによって荒廃した社会を立て直す力になるでしょう。

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女子教育

「教育を通じて達成できること。
それは「目覚めること」です。みなさまはそれを支援してくださっているのです。」

モザンビークで ユニセフが支援するプロジェクトのコーディネーター
シマオ・バスコ

女の子だって男の子と同じように学びたくてたまらないのです。しかし、あまりにも多くの女の子が学びの場から除外されています。だからこそユニセフは、教育において女子が直面している問題に積極的に取り組みます。教員をトレーニングし、制服や教材を提供し、”子どもにやさしい”コミュニティを支える・・・。そのような活動は、中途退学の割合を、最大47%低下させることができます。
 パキスタンの農村に暮らすある母親はこう話します。
「娘達がひもじい思いをすることは、もうないでしょう。だって教育を受けたのですもの」

〜今では、アフガニスタンのカブール市内だけで、4万5千人以上の子どもが、ユニセフが運営に協力している学習教室に通っています。その80%以上が女の子です〜

 タリバン政権下で学校に通うことを禁じられていた女の子たち。今ではユニセフの支援により、100万人以上の女子が学校に戻りました。
 マレカ・ジャラリ女子高校のタヘラ・ハキミ校長先生は、タリバン時代には自宅で隠れて教室を開いていました。警察に踏み込まれ、刑務所に入れるぞと脅されたといいます。今日、この高校には5,000人以上の女子が通い、なかには、20歳のファザルのように、何年も教育から遠ざかっていた人もいます。
 今、彼女達の表情は熱意に輝いています。「学校の宿題がたくさんあるのがうれしいのです。だってあまりにも長い間、何もありませんでしたから・・・」

 女子教育・・・

ユニセフは、「すべての子どもに教育を」という世界的なキャンペーンの牽引役となっています。男子にくらべ女子教育が立ち遅れている地域で、ユニセフは女子が学校に通うための手助けをし、家族やコミュニティの協力が得られるよう活動しています。

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予防接種『プラス』

「有効なワクチンがあるのに、子どもがいまだに危険にさらされているなんて、到底受け入れられない事実です。みなさまのご協力のおかげで、私はこの信念のために活動することができます。」

ユニセフ
予防接種プログラム上級担当官
フランソワ・ガス

予防接種の普及に人一倍情熱を燃やすフランソワは、破傷風の予防接種を広めるために、90カ国をまわりました。歩いて、カヌーで、飛行機で、馬や時にはらくだで・・・。そんな旅の中で、彼自身がマラリアやデング熱などにかかりました。なぜそこまで・・・?
 それは、彼が子どもたちがよりよい人生を始めるために、ほんの少しのことでどれだけ多くのことができるかを知っているからです。
 スタッフの 地道な努力もあり、ユニセフは、何千万人もの子どもたちに予防接種を実施しています。破傷風、ポリオ、はしか・・・。もし、皆様のご協力がなかったら、きっと今も多くの子どもたちがこうした病気の危険にさらされていたことでしょう。

◆ ◆ ◆

1988年に35万件報告されていたポリオの発症は、2001年には483件にまで減りました。

 ザンビアでは500万人の子どもに、はしかの予防接種が行われました。子どもたちにとって、それは予防接種以上の意味がありました。そこでは、ビタミンA補給、寄生虫の駆除など、子どもの命を守るさまざまな取り組みが一緒に行われたからです。予防接種は多くの国々で、子どもの健康を総合的に守る場となっています。
 皆様の募金は、予防接種のワクチンやビタミンAとなり、子どもたちを病気から守っています。

 
写真:予防接種の様子
予防接種『プラス』・・・

予防接種は、保健分野における輝かしい成功例です。子どもたちの命を救うだけでなく、暮らしを良くする大きな力を持っています。今日では、4人に3人の子どもは、1歳になる前に予防接種を受けることができ、毎年250万人以上の子どもの命が守られています。

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乳幼児総合ケア

「みなさまのおかげで、私たちにとって当たり前のことがそうではない子どもたちのために大切な仕事を続けることができます」

ユニセフ・フィジー
乳幼児総合ケアプログラム担当官
アディ・ダウィラ・トガニバル

写真:乳幼児総合ケア

バヌアツやソロモン諸島と聞いて世界地図を広げても、太平洋上に浮かぶ点にしか見えないかもしれません。しかし、アディ・ダヴィラにとって、この地は開発の効果がはっきりと見える場です。
  これらの離島で、ユニセフは、保育園や学校をつくり、設備や備品を整え、教員を訓練し、様々な”子どもにやさしい”アプローチを実施しています。ダヴィラは、『子どもたちは愛され、ケアを受ける必要がある」と信じています。ただ命を救うだけではなく、その人生を十分に生きられるようにすること、それがユニセフの仕事です。

 乳幼児総合ケア・・・

写真:乳幼児総合ケア
健やかに成長し、健康な生涯を送ることができるかどうかは、人生の最初の数年間にどのようなケアを受けられるかに大きく左右されます。ユニセフは、活動資金の多くを費やして、幼い子どもが、保健ケア、十分な栄養、予防接種、安全な飲み水などを得て、人生の最良のスタートを切ることができるよう支援を行っています。

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「私は、ここにいる子どもたちに、一昔前の難民の子どもたちが味わった苦しい生活ではなく、より良い生活を送ってほしいのです。みなさまのご支援はそれを可能にします」

ユニセフ・ジェニン
プロジェクト担当官
ナイム・サディ

イラン・バムの地震被災地にも、仮設学校などがいち早く作られました。

戦火にさらされ、標的にされる子どもたち。彼らに自尊心を持たせ、戦争の中にあるコミュニティを変えるチャンスを与えたい。戦いと破壊の続くパレスチナ自治区で働くナイムの願いです。
 今も多くの子どもたちが暴力にさらされて暮らしています。虐待や搾取、紛争や自然災害に苦しんでいる子どもたちに、ユニセフは、まず安全な場所を提供します。危険にさらされている子どもや若者たちには、その状況から抜け出す手助けをし、 教育を受けられるようにします。
 こうした活動ができるのも、皆様の募金のおかげなのです。

 
子どもの保護・・・

ユニセフはすべての子どもが、虐待、搾取、暴力、有害で搾取的な労働から守られるべきだと考えています。ユニセフは、強力な法律の整備や質の高い教育の推進など、子どもを守る仕組みを確立できるよう、様々なパートナーと協力しながら活動しています。

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皆様からの募金

お一人お一人からの募金が、世界に変化をもたらしています!

昨年、皆様からの募金は158の国と地域で次の5分野の活動に使われ、各地で最大級の効果をもたらしました。

プログラムのための総支出:12億2,700万米ドル
(1億5,500万米ドルの事業管理費を除く)

■ 優先課題別支出割合(2003年)





■ 地域別プログラム支出割合



昨年、世界中から、5億1,500万米ドルもの募金が、個人、企業/団体から寄せられました。このご支援がなければ、ユニセフはこれほど多くのことを成し得ませんでした。ユニセフをご信頼いただき、その大切な資金を効率的に、そして効果的に使わせていただき、本当にありがとうございました。


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