近年のIT産業などの躍進から著しい経済成長を続けるインド。2005年のGDP(国内総生産)成長率は9%にも達しました。しかしその一方で、11億の国民の3人に1人は、いまだに1日の生活費が1ドルにも満たない、極端に貧しい生活を余儀なくされています。こうした「持つ者」と「持たざる者」との格差と、今日的な貧困問題の縮図となっている場所の一つが、アラビア海に臨むインド最大の商業都市、ムンバイ(ボンベイ)。市民人口の75%が暮らすともいわれるスラム地域では、「貧困」が幼い子どもの命を奪い、教育の機会を奪うという、従来から存在した「負の再生産」の問題があります。
繁栄を享受する人々の陰で、 都市の中の貧困層、とくに子どもたちはどのような生活をしているのでしょうか?その子どもたちのために、私たちには何ができるのでしょうか? それを確かめるために、アグネス大使がムンバイの地を訪れました。