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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

<2001年2月19日 信濃毎日新聞掲載>

氷点下25度の寒波にこごえて
<アフガニスタン>

アフガニスタンでは、1979年のソ連軍侵攻と、それに続く15年間の内戦によって、国民の3分の1にあたる600万人が難民となり、国外へ逃れました。89年以降、さまざまな人道援助機関の支援によって帰還が始まりました。

92年4月から現在までに、380万人が帰還したものの、まだ240万人がイランやパキスタンなどの国々にとどまっています。この数字は一国から流出した難民の数としては世界でも最大のものです。

こうした人々の帰還を可能にするため、アフガニスタン国内ではいっそうの復興・再建努力が求められています。しかし、その後も首都カブール周辺での戦闘によって、百万人が国内避難民として各地に逃れています。

アフガニスタン西部にあるヘラートの難民キャンプでは、8万人の国内避難民が生活しています。ヘラートで今年1月29日深夜、気温が氷点下25度にまで下がり、110人以上が亡くなりました。そのほとんどが女性と子供でした。

現地にかけつけたユニセフ・アフガニスタン事務所の職員ルイ・ジョルジュ・アルセノー氏は「とてもひどい状態でした。親たちは、子どもたちを凍えそうなテントの中で寝かしつけるのですが、自分の子どもたちが翌朝まで生き延びることができるかどうかさえわからないのです」と話しています。

このような深刻な事態を受けて、ユニセフはすぐに緊急援助を開始し、これ以上死者を出さないために、特に乳幼児と子ども用の衣服や靴を提供することと、ストーブを設置することを約束しました。さらに、予防接種の実施、栄養のバランスのとれた食事の提供、産前ケアや助産婦キットの配布をはじめとした「女性への健康サービス」などを引き続き行うと発表しました。

「長期的には、物資の供給だけでなく、精神的にショックを受けた子どもたちへの心理的サポートや、教育に対する支援が必要です」とアルセノー氏は訴えます。ユニセフはこれからも、ほかの国際機関やNGOと協力しながら、アフガニスタンの国内避難民への支援を続けていく予定です。

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