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アルゼンチン:新しい指導法で子どもたちの学習に変化【2009年9月8日 アルゼンチン発】
小学校へ入学してから半年間、マリア・アンジェルちゃんは勉強についていくのにとても苦労していました。学校での勉強に興味を持てず、他の子どもたちに比べ、少しずつ遅れ始めたのです。マリアちゃんは字を読むことができませんでした。母親は、マリアちゃんが次の学年に進学できず、1年生をもう一度やり直すことになるのではと心配していました。これはアルゼンチンではよくある問題です。 しかし、新しい指導方法が導入されるとマリアちゃんの状況はよくなり始めました。この革新的な指導方法は、数学や文学、科学を教える際に、より実用的な新しい方法で教えることに重点が置かれています。特に大事な時期である1年生の進級が難しそうな子どもたちには、さらに特別な指導がされています。 飛躍的な成果
マリアちゃんの小学校のスザナ・サンチェス校長先生は、この新しい指導方法がもたらした成果を信じることができませんでした。このプログラムが実施される以前は、全児童・生徒の20パーセントが留年していたと言います。「でも今はその数を2パーセントまで減らすことができました。」スザナ・サンチェス校長はこのように話しました。 マリアちゃんは、字を読むことができるようになり、『白雪姫と七人のこびと』などの物語を読むことが大好きです。マリアちゃんの学校に対する意欲にも変化が見られました。 「大きくなったら学校の先生になって、読み書きや勉強を教えたいの。」 全ての母親の夢
この新しい指導方法はユニセフと共に開発され、両親にも子どもたちの学習へ積極的に関わることを奨励しています。 毎回、新学期の初日と最終日に親たちが学校の外で集まり、子どもたちの学習成果について先生や他の父母と話し合います。うまく成果を出した例について話をしたり、不満に思っていることや問題に直面している子どもたちへの対処方法などについて話し合うのです。 「私は小学校を終えることができませんでした。だから最初は、私の子どもたちも学校を卒業することはできないだろうと思っていました。」とマリアの母親のロサ・ゴメスさんは話します。「私には叶えられませんでしたが、子どもたちには学校を楽しみ、卒業できるように、できるだけ子どもたちの力になろうと思っています。これは子どもを持つ全ての母親の夢だと思います。」 持続的効果ユニセフ・アルゼンチン事務所のエレナ・ドゥロ教育担当官は「これは小学校や中学校での落第を減少するために開発された、革新的な指導方法です。」と話します。 ドゥロ教育担当官はまた、この指導方法は新しい教授方法を提案するだけでなく、子どもたちの健康を守り、虐待や搾取から保護するということも含めて、子どもたちを守る環境を作り上げていく方法も提案していると言います。 子どもの権利条約第28条には、すべての子どもが教育を受ける権利を持つことが定められています。アルゼンチンでは今、この基本的な権利を失う瀬戸際に追い込まれていた子どもたちが、このプログラムによって希望と自信を取り戻しつつあります。そしてその成果は未来へとつながるのです。 |