メニューをスキップ
HOME > 世界の子どもたち > ストーリーを読む
財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

バングラデシュ:5つの病気から子どもを守る新ワクチンを導入


【2009年2月12日 バングラデシュ発】

© UNICEF Bangladesh/2009/ Uddin
母親に抱かれる生後4ヵ月の男の子。(バングラデシュのクルナにて)

バングラデシュで、この度、1回の接種で5つの病気から子どもたちを守る新しい混合ワクチンが導入されました。このワクチンには、重度の肺炎と髄膜炎を引き起こし、死に至る危険性のあるインフルエンザ菌b型(Hib/ヒブ)のワクチンも含まれています。

1月中旬、首都ダッカ南西に位置するクルナ管区で行われた式典には、保健・家庭福祉省のA.F.M.ルフール・ハッケ大臣や保健省関係者、国連諸機関の代表らが参加。この混合ワクチンの最初の投与が行われました。

この新しいワクチンは、ヒブのほかに、ジフテリア、破傷風、百日咳、B型肝炎から子どもを守ります。このワクチンの導入で、保健スタッフが予防接種活動に従事する時間が節約できるようになるだけでなく、ワクチンの数量が減ることにより、物流の手間も大きく軽減することができます。また、一度に5種のワクチンを接種できるため、予防接種を受ける人が増加するものと予想されています。

「ユニセフも、ワクチンの調達や、約6万人の保健スタッフの研修をWHO(世界保健機構)と協力して実施しました。このワクチンの導入に、ユニセフもその一翼を担えたことを誇りに思います。」ユニセフ・バングラデシュ事務所のイヨルウムン・J・ウハー副代表は話しました。

命を脅かす病気

世界中で、毎年数百万人がヒブによって重態になり、40万人が死亡していると推定されています。そして、その大半が、5歳未満の子どもたちです。

今回バングラデシュで導入された混合ワクチンは、世界中の子どもたちの主な死亡原因である細菌性肺炎の約3分の1を予防することができます。バングラデシュでは、5歳未満児の死亡の24パーセントが、肺炎が原因と見られています。

「わが国では、ヒブは非常に憂慮すべき状況にあります。耐性菌が増加しているので、治療にあたり、医師は高価な薬を使用しなければなりません。しかし、ほとんどの病院では、簡単に入手できるものではないのです。」ダッカシシュ病院の微生物専門家サミール・サーハ医師はこう話します。「この混合ワクチンの導入によって、多くの子どもたちの苦痛や後遺症を予防し、そして命を守ることができるようになります。」

重要な一歩

この混合ワクチンは、バングラデシュで生まれる年間400万人近くの子どもたちに、定期予防接種プログラムの一環として提供されることになっています。バングラデシュは、定期予防接種率が高く、(このワクチンに含まれる)ヒブワクチンによって、年間2万人の子どもの命を救うことができると予測されています。

「このワクチンは、バングラデシュの子どもたちを様々な病気から守る重要な一歩です。」保健・家庭大臣A.M.M.ナシール・ウディン秘書官は、開会式典でこのように話しました。「5歳未満児の死亡を減らすというミレニアム開発目標4をわが国が達成することに、大きく貢献するでしょう。」

バングラデシュ政府は、この混合ワクチンを導入するにあたり、ユニセフ、世界保健機関、ヒブイニシアティブ、GAVI同盟(ワクチンと予防接種のための世界同盟)、などの団体から、資金面および技術面での支援を受けました。バングラデシュ政府も共同出資する予定です。

「バングラデシュをはじめとする南アジアの国々には、より多くのワクチンと保健・予防接種制度の改善が必要です。」GAVI同盟のジュリアン・ロブレビット事務局長は話します。「バングラデシュが、子どもの疾病予防に重要な一歩を踏み出したことを称賛します。」

トップページへコーナートップへ戻る先頭に戻る