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2003年7月2日掲載 大活躍の子ども議員たち:
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ユニセフ事務局長と子ども議員とのQ&A:
ユニセフと世界銀行がウガドゥグで6月24〜25日に開催した「女子教育への投資」地域ワークショップの開会式と「2005年までに25カ国を」イニシアチブの打ち上げ式に出席したキャロル・ベラミーユニセフ事務局長。これらの行事の後でブルキナファソの子ども議員たちと話をする機会がありました。そのやりとりの一部を参考までに掲載します。
子ども議員(Q): 昨日、あなたは西・中央アフリカでの女性教育を促進するための「2005年までに25カ国を」イニシアチブを打ち上げましたが、世界中の子どもを対象にしたイニシアチブというのはあるのでしょうか? |
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キャロル・ベラミー事務局長(A): ありますよ。今年5月22日に、国連子ども特別総会を開催しましたが、これは子どもについて国連が開催した初めての特別会合でした。総会では、世界中の子どもたちのために4つの優先事項が決められました。健康的な生活を促進すること、質の高い教育を提供すること、HIV/エイズと闘うこと、そして暴力、虐待、性的搾取から子どもを守ること。この4つの優先事項です。特別総会は、実際の行動に結びつけたという意味では、重要なイニシアチブになったと思います。 |
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Q: |
戦争孤児やHIV/エイズ孤児に関して、ユニセフではどのようなことを行っているのでしょうか? |
A: |
戦争もHIVも、残念なことに、世界中の人々に影響を与えるグローバルな問題ですね。でもどちらの問題もアフリカで一番大きな問題となっています。この根本原因を追求しなければいけませんが、そのためには戦争やHIV/エイズを減らす努力をしなければなりません。戦争はおとなに訴えかけてやめさせなければなりません。なぜなら、子どもに罪はなく、犠牲者なのですから。HIV/エイズですが、今、世界中の若者たちに、エイズの原因は何か、どうしたら防ぐことができるかを教えています。でも、知識だけではどうしようもないのです。若者たちは、その知識を行動に移さないと駄目なのです。HIV/エイズの感染やその影響を防ぐには、それ以上良い方法はないのです。現在、アフリカだけで何百万ものエイズ孤児がいます。こうした子どもたちが学校に行く機会を得られるように、差別を受けないように、面倒を見てくれる家族がいるように、保障すること。これが大切です」 |
Q: |
「2005年までに25カ国を」イニシアチブ以前に子どもたちを学校に行かせようと、キャンペーンを打ったことはありますか? |
A: |
ええ、あります。調査結果では、親たちは子どもたちに学校に行ってほしいと願っているのです。でも、それを阻害する要因がたくさんあるんです。例えば戦争や貧困。親自身が学校に行っていないと、教育の重要性とか価値も分からない、そういう理由もあります。それでも子どもにだけは教育を受けさせたいと思っています。ケニアでは、すべての子どもについて、学費を無料にする措置をとりました。学費がタダになったのです。そうしたら、学校に行く子がすごく増えました。これは貧困とか学費が、子どもの教育を阻害する要因になっているということです。だからこそ、今朝、私は学費や基礎教育にかかる費用を廃止すべきだ、と言ったのです。これは子どもたちにとって大切なことだとユニセフでは訴えていますが、世界銀行もこれに賛成しています。 |
Q: |
世界中の子どもたちを助けるプロジェクトは、たくさんあるんですか? |
A: |
ありますよ。ユニセフは子どもの問題に関しては、リーダー的立場にあります。本部はニューヨークですが、ユニセフで働いている人のほとんどは現場で働いています。158カ国で仕事をしています。この中には開発途上国もありますし、戦争をしている国もあります。ユニセフは、保健、栄養、教育、子どもの保護、水と衛生、そのほかの分野で活動しています。どこの国でも似たような活動をしていますが、それぞれの国で最良の支援を行うために、ある程度、その国に適応する形で支援を行っています。例えば、西・中央アフリカでは、女の子が学校に行けるよう支援しています。モンゴルでは、男女とも学校に入学することはするのですが、男の子が途中退学してしまいます。そこで、モンゴルでは男の子をどうやって学校にとどめるかが問題になります。もう一つの例を挙げれば、保健の問題があります。アフリカのこの地域では、マラリアやポリオがまだ問題となっていますが、ほかの国々ではこれらの病気はもう存在していません。でも、逆に別の病気が問題になっていたりするのです。 |
Q: |
2015年までに目標を達成するために、具体的にはどんなイニシアチブを立ち上げるつもりですか? |
A: |
そんなにたくさんのイニシアチブは必要ないと思いますよ。政府のリーダー、大統領、首相、そのほかたくさんの人たちが子どもとの約束をしてくれています。例えば、2015年までに子どもたち全員を学校に入れることを約束してくれました。また、2015年までに5歳未満児の子どもの死亡率を下げることを約束、同じく2015年までにHIV/エイズに感染している人の数を減らすことを約束してくれました。2015年までにきれいな水と衛生施設を使える人たちの数を増やすことも約束してくれました。ですから、約束や課題はすでにみんな存在しているのです。それを今度は子どもたちのために実施する努力が必要なのです。 |
Q: |
あなたは1995 年に事務局長になりました。子どものためにしたことを具体的に挙げていただけますか? |
A: |
ユニセフ内部が良くなり、子どもたちのために効率的に仕事ができるようになりました。また、世界の子どもの権利を促進する機関として、ユニセフが主導的立場を保つようにがんばりました。ユニセフは国連子ども特別総会を通して重要なことを達成したと思います。というのも、こうしたグローバルな会合は、子どもたちが直面している問題と、その対処の方法について、世界にはっきりとした強いメッセージを送り出すことができるからです。 また、戦争ですが、前はケガをしたり殺されたりしたのは兵士でした。それが、今では子どもや女性たちが一番の犠牲者になっています。また、この頃では子どもたち自身が戦いに駆り出されていて、ユニセフは許しがたいことだと考えています。明るい面を見れば、ユニセフは、子どもや若者たちに、自分たちのことに関わる決定事項には、自らも参加すべきだと言ってきました。これはとても素晴らしいことだと思っています。そういう意味でも、みなさんにも、このまま子どもの権利を訴えるための活動を続け、それぞれのコミュニティ、それぞれの国、世界中で活躍を続けてほしいと思っています。私は、世界の政治家やリーダーたちに対して子どもの権利を訴え続けます。ですから、みなさんは、子どもたちのために声を出し続けてください。みなさんのような若者は、未来そのものなのですから。私はブルキナ・ファソには数日滞在するだけです。でも、みなさんは、毎日、ここにいらっしゃるのです。だからこそ、みなさんがこの国の子どもたちのために参加し、声を出して、それを人々に理解してもらうことが大切だと思います。みなさんの国の子どもたちがその権利を享受できるようにね。みなさんは、私を信頼してくださって結構です。私もみなさんのことを信頼しています。 |
Q: |
今日はお忙しい中、ありがとうございました。あなたが世界中の子どものためにがんばっていることはわかっています。ですから、ブルキナ・ファソでは、私たちが一生懸命に、子どもたちのために頑張りますので、私たちのことを信じてください。 |
A: |
ありがとうございます。みなさんの努力に感謝いたします。がんばって活動を続けてください。 |
2003年6月26日
ケント・ページ ユニセフ地域広報官(西・中央アフリカ地域)
ウガドゥグにて
以上