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ブルキナファソ:全ての子どもたちにポリオ予防接種を【2009年4月15日 ブルキナファソ発】
3歳のモウニラトゥ・オウゼイタちゃんは、経口ポリオワクチンの重要性をまだ理解できません。周囲に励まされて、なんとか予防接種員からポリオワクチンの投与を受けることができました。 ワガドゥグー周辺に暮らす子どもたちの中にも見られましたが、モウニラトゥちゃんは1回目の予防接種キャンペーン中に予防接種を受けませんでした。そのため、2回目のポリオ予防接種キャンペーンの最終日である3月末、保健員とボランティアの人々は、全ての子どもたちに予防接種を行うべく、できる限り活動範囲を広げました。 明るい兆候国際赤十字赤新月社連盟は、ブルキナファソを含めたアフリカ全土に流行しているポリオの発生に対処するための緊急アピールを出しました。このアピールによって集められた資金と、ユニセフ、WHO(世界保健機関)、その他のパートナー団体による呼びかけで立ち上がった国際ポリオ撲滅イニシアティブからのサポートをもとに、ブルキナファソ保健省は予防接種活動を展開する予定です。 ブルキナファソに大きな影響を与えているポリオを一掃するためには、効果的に支援活動を進めることが非常に重要です。そのひとつとして、予防接種員たちは一目で予防接種員だと判別できるように、「ブルキナファソからポリオを追い出せ!」と書かれた白い袖なしのシャツを着ています。また、全ての子どもたちに支援が行き届くように努力を続けています。 「予防接種員は村から村へ行って予防接種を行うだけでなく、公共施設に行って親たちに呼びかける活動も始めています。この積極的なアプローチは、すでに目覚しい成果を挙げています。」予防接種プログラムオフィサーのサイドウ・ザバさんは話します。 当初予定されていた4,661人を上回る、4,727人の5歳以下の子どもたちがポリオワクチンを接種されており、前途有望な統計が出ています。 1回目の予防接種キャンペーンの時とは異なり、この地域で、新たな野生型ポリオウィルスの症例は報告されていません。これは、今年に入ってブルキナファソで確認された6例のポリオ症例のうち、4例が起きているワガドゥグーにとって、明るい兆候です。 政府の公約ブルキナファソの、シャンタル・コンパオレ大統領夫人は先月、他のアフリカ西部諸国でも同時に始まった、ポリオ予防接種キャンペーンの開会式で、予防接種活動を継続する必要性を改めて表明しました。 「行政当局、宗教当局、保健機関、そして5歳未満児の親たちに、全ての子どもたちが予防接種を受けられるように協力することを求めます。私たちの子どもたちのため、ブルキナファソの明るい未来のために一緒に行動しましょう。」(コンパオレ大統領夫人) 大統領夫人は、ユニセフ、WHO、その他のパートナーと共に行っているポリオ撲滅のための活動に対する政府の公約を強調しました。 「この活動に皆さんが参加することを望んでいます。そうすれば、アフリカ西部からポリオを一掃できるはずです。」ブルキナファソの保健大臣セイドウ・ボウダ氏はこのように述べました。 予防接種への理解を求める政府への活動支援の一環として、ユニセフは、定期的に、ワクチン、付属品、ワクチンを運ぶために必要なコールドチェーン設備を提供し、設備の点検も行っています。 予防接種活動の実施に必要な最終ステップは、親や子どもたちの世話をしている人々に、予防接種の重要性を理解してもらうことですが、多くの場合これが最も難しいのです。宗教的信条、現地の慣習、病気や医薬品についての一般的な知識の欠如によって、子どもたちの予防接種が妨げられてしまうのです。 予防接種員の辛抱強い活動にもかかわらず、こうした兆候が弱まる兆しはありません。しかし、ユニセフは、必要であるかぎり、こうした予防接種員の活動を支援し続けていきます。 「全てのブルキナファソの子どもたちは、ポリオのような防ぎうる病気の犠牲にならないために、予防接種を受けるべきです。これが私たちの強い決意です。」ユニセフ・ブルキナファソ事務所のハルベ・ペリエス代表は話します。 アグネス・チャン日本ユニセフ協会大使は、13日に日本を出発し、現在ブルキナファソを視察に訪れています。8日間、全行程1000キロに及ぶ南北縦断キャラバンを敢行する予定です。今回の視察は、大使就任以来12回目。 北部で進行する砂漠化の影響で、住む場所を追われた子どもたちや、農作の場を奪われた家計を助けるために鉱山で働く子どもたち、気候変動に加え世界的な経済危機による食糧価格の高騰から、深刻な栄養失調に陥ってしまった子どもたちのもとを訪れるとともに、ユニセフなどによって行われている支援活動も視察する予定です。詳しくはこちらから |