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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたちは今

中央アフリカ共和国:数十万の子どもたちが満足な食べ物も医薬品も無い状態に

【2013年7月2日 ジュネーブ/バンギ発】

© UNICEF Central African Republic/2013/Matas
不安定な状況ながらも、国内の他の地域と較べ比較的支援が届けられている首都バンギの小児病棟で、栄養不良の治療を受ける生後12ヶ月のピンガヤちゃん。現在、中央アフリカ共和国全体で、命に関わる栄養不良に苦しむ子どもの数は5万7,000人に上ると推定されている。

今年3月のクーデターを挟み、治安が安定しない中央アフリカ共和国。栄養のある食べ物を口にすることができず、基本的な医薬品や医師などの診察や治療も受けられない子どもたちの数は、数十万にのぼります。

「武力衝突が続き、この国が恐怖に支配される中、一刻の猶予も許されないような深刻な状況にある子どもたちや女性たちに、緊急人道支援の手を差し伸べる事すら非常に難しい状況が広がっています。子どもたちは学校に通う事はおろか、安全な水や適切な衛生環境を確保することもままならず、病気になっても治療を受けることもできない状況です」ユニセフ現地事務所のスリマン・ディアバット代表はこのように訴えます。

クーデター発生前、既に悪化していた状況に対応するため、ユニセフは、国際社会に対し、緊急支援活動に必要な資金として総額1,150万米ドルの支援を要請していました。しかし、その必要額は、これまでに、既に倍以上の3,240万米ドルに膨れ上がっています。一方、これまでに国際社会から寄せられた資金は、900万米ドルに留まっています。

今回の人道危機が勃発して以降、ユニセフが輸入した人道支援物資は140トン超。多くの人道支援団体と協力して、国内のあらゆる地域でスタッフの安全が確保できる限り、保健・医療、栄養、子どもの保護、そして水と衛生の分野での支援活動を展開しています。

活動を続ける中、子どもたちが置かれている状態の詳細もより明らかになってきています。住民からの聞き取りを含めた様々な調査(これまでに国中部及び西部16県中13県で実施。今後も東部各県で実施予定)から、以下のようなことが明らかになりました。

  • 調査対象の51%が、病院などの医療施設に掛かれず、医薬品も入手できない状況と回答。医療施設が閉鎖されたかそもそも存在していないとした者は29%。医療従事者が不在と回答した者は24%。
  • 81%が食糧の入手先を変えたと回答。54%が、食糧価格の高騰 や市場の食品数の減少を訴えている。
  • 72%が子どもたちは学校に通っていないと回答。22%は校舎が避難所として使用されているとした。国内の殆どの学校は、今年3月以降休校状態。
  • 女性や女の子に対する暴力、保護者が不在の子ども、武装勢力等による子どもの徴用などの数が増えていることを伺わせる多数の証言があった。

これまでに、紛争などで家を失い、国内の他の場所で避難生活を送っている方々は、少なくとも20万6,000人。コンゴ民主共和国を中心に隣国に避難した人々の数は、5万人を超えています。

国の発展度合いを測る開発諸指標の国際ランキングで、常に下位10位内だった中央アフリカ共和国。3月のクーデターが起こる以前から、子どもたちの命が最も短い国の一つでした。

「今回明らかになった事実は、この国の子どもたちが、貧困や貧弱なこの国のガバナンス、紛争、そして不安定な政治状況の負のサイクルの矢面に立たされていることを裏付けました」(ディアバット代表)

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