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中央アフリカ共和国:
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© UNICEF CAR/2013 |
悪環境での避難生活では、子どもたちの命が危険に晒されます。 |
ユニセフ・中央アフリカ事務所は、24日、同国での戦闘により、重度の栄養不良に陥る子どもが急増し、生命と将来の健康が危機にあるとの深い憂慮を表明しました。
この2週間で、首都バンギだけで20万人以上が自宅を離れ、避難生活を送っています。その多くは子どもたちです。
バンギで戦闘が発生した12月5日以前、およそ1,000人の子どもたちがバンギの栄養センターで重度の急性栄養不良の治療をうけていましたが、現在、開設されているセンターはわずか8ヶ所のみです。
「およそ半数の子どもたちが、治療を再開しています。人々が40ヶ所以上に避難している情勢の中では、驚くべきことです。しかし、やるべきことはたくさんあります。子どもたちの命を守るために、できるだけ早く栄養センターを再開させることが極めて重要です」と、ユニセフ・中央アフリカ事務所のボナヴェントル・ムヒムフラ栄養専門官は言います。
その一方で、森林などに隠れて避難生活を送っている人たちは、食糧や水、衛生、基礎的な保健サービスなどを受けることが難しいことから、衰弱しているとみられ、ユニセフは、数週間内に栄養センターに治療を受けにくる人の数が増加すると予想しています。
FAO(国連食糧農業機関)は、中央アフリカの人口のうち40%以上にあたる約130万人が、農村部に暮らし、現在、緊急の支援が必要と指摘しています。この数値は、2013年2月時点の予測のほぼ倍にあたります。紛争により作物生産は大幅に減少、食糧不足は子どもと女性の栄養状況に深刻な影響を及ぼします。
ムヒムフラ栄養専門官は「避難場所でのニーズに対応するため、一層の取り組みが必要です。バンギ以外でも、栄養サービスが受け続けられるようにしなければいけません」と述べています。
先週、ユニセフの緊急支援物資173トンが同国に到着。この中には、栄養不良の子どもの治療に使われる栄養補助ミルクやすぐに摂取できる栄養補助食なども含まれます。
ユニセフの支援のもとNGOが運営するバンギにある小児病院では、ベッド数54に対し、68人の子どもたちが入院しています。栄養不良にある子どもたちは、病気や感染症にかかりやすく、入院している子どもたちの80%はマラリアに感染していました。
2013年初めより、中央アフリカでは重度の急性栄養不良を管理するシステムが作られ、国中の通院型または入院型の栄養センター123ヶ所で、12,447人が治療を受けてきました。
昨今のバンギや国内での情勢の悪化を受け、バンギの避難場所を巡回し、子どもたちの栄養状況を確認する移動型の診療所が作られました。この移動型診療所は、栄養不良の治療を中断した子どもたちを確認し、必要とする緊急のケアを行います。
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