|
|
中央アフリカ共和国:
|
© UNICEFCAR/2014/Logan |
バンギの仮設学習スペースに集まる生徒たち |
中央アフリカ共和国の首都バンギに、避難中の子どもたちのための仮設学習スペースが設置され、2万人以上が通学する予定です。紛争により、自宅を追われ、学校は休校しています。
昨年12月初旬以来、すべての学校が休校しているバンギ。ユニセフとパートナー団体は、バンギの避難所各所に100以上の仮設学習スペースを設置、現在、40ヶ所以上が稼働しています。また、教師160名を対象に3〜5歳児向けの授業の研修も実施しました。住民の帰還が始まっている北西部のボッサンゴアと周辺では、学校が被害を受けていることから、ユニセフは仮設学習スペースをさらに設置する予定です。
ユニセフ・中央アフリカ事務所副代表のジュディス・ルヴェイルは「避難している子どもたちが学校に通えないのであれば、子どもたちのそばに教室を設けるべきです。こうした考えが今回の仮設学習スペース設置の背景にあります。情勢が許せばすぐに、教師と生徒たち全員が安心して学校に通えるようにすることは、平和と和解の道のりへ進む重要な一歩です」と述べました。
仮設学習スペースは、教育を提供するための、一時的な方法です。情勢が許せば直ちに、ユニセフは教育省を通じて、公式の学校の再開を支援します。
これまでに、ユニセフは教育キットやレクレーションキット計500セット以上をバンギの避難所20ヶ所に配布。教育キットには、教材や本、文房具が、レクレーションキットにはスポーツ用品や画材などが入っています。
ルヴェイル副代表は「紛争が始まって以来、子どもたちは数カ月間も学校に通えていません。子どもたちが安心を得られる空間に通って身を置けることができるようにすることは、喫緊の課題です。授業を受けることで、子どもたちは紛争前の日常らしさや安定、未来への希望といったものを感じることができます」と加えました。
仮設学習スペースに加え、ユニセフは子どもにやさしい空間も設置。避難中の子どもたちが心のケアを受け、レクレーション活動に参加できるようにしています。
ユニセフの研修を受けた教師の一人、アントイネッテさんは「クラスの子どもたちには、子どもたちが目撃した悪い出来事を忘れてほしいと思っています。子どもたちには、暴力や報復ではなく、誠実さややさしさに向かってほしいのです。教育のない国には、未来はありません」と強調しました。
教育という基本的な権利は、危機下では、最もその影響を受けます。学校は子どもたちに安心して学べる環境を提供するばかりではなく、復興プロセスにおける重要な一端を担っている、とユニセフは指摘しています。
武力衝突によりバンギの住民の約半数は避難しており、仮設の避難民キャンプに身を寄せたままです。昨年の調査では、調査対象となった国内の176校のうち、65%の学校が略奪にあったことが明らかになっています。
ユニセフは、仮設学習スペースの設置にあたり、11のNGOと共に活動しています。
ユニセフは、2014年の同国での緊急支援活動に6,200万米ドル(約62億6,200万円/1米ドル=101円で換算)の支援を要請していますが、現時点での調達支援額はわずか4.8%。残り5,900万米ドル(59億5,900万円)の資金が不足しています。
* * *
緊急資金要請を通じた活動資金の確保がままならない中、中央アフリカの子どもたちの生命をつないでいるのが、ユニセフ募金です。同募金は、『ユニセフ・マン スリー・プログラム』などを通じて寄せられ、国や地域等を指定しません。日本のみなさまからお寄せいただく募金は、この10年あまり連続で世界一。その約8割が、国や使途を限定しないご寄付(ユニセフ募金)です。
UNICEF would especially like to thank National Committees and donors who have contributed ‘non-earmarked’ funding. ‘Non-earmarked’ funding gives UNICEF essential flexibility to direct resources and ensure the delivery of life-saving supplies and interventions to where they are needed most –especially in the form of longer-term and predictable funding and in strengthening preparedness and resilience.
【参考情報】
【数字で見る概況】
【関連ページ】