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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたちは今

中央アフリカ共和国:首都バンギではしか感染拡大の恐れ
125,000人を対象に緊急予防接種キャンペーン実施中

【2013年5月21日 中央アフリカ共和国・バンギ/カメルーン・ヤウンデ発】

© UNICEF/NYHQ2012-2180/Nesbitt
首都バンギの病院で予防接種を受ける赤ちゃん(2012年撮影)

2013年3月24日に、反政府勢力セレカが首都バンギに侵攻して以降、不安定な情勢が続く中央アフリカ共和国。
先月、8人の子どもがはしかに感染したことが確認されたことを受け、ユニセフは保健省、世界保健機関(WHO)、地元NGOなどと共同で、首都バンギで緊急はしか予防接種キャンペーンを行っています。5月22日から26日までの期間中に、12万5,000人の子どもを対象に実施されることになっています。

この紛争で、中央アフリカ共和国では基本的な社会サービスが崩壊し、バンギのみならず、全国各地で病気が蔓延する危険が高まっています。生活環境は厳しく、はしかの予防接種率が62パーセントと極めて低いことから、多くの子どもたちがはしかに感染する危険にさらされています。

はしかは、不衛生な環境や不十分な栄養、多くの人が身を寄せているような環境下で感染が拡大しやすく、命を奪いかねない感染症です。ワクチンで予防可能にもかかわらず、年間6万9,000人もの5歳未満の子どもたちがはしかで亡くなっています。

はしかの緊急予防接種キャンペーンの実施にあたり、大きな課題に直面しています。

安全が確保されないことから、人道支援が行える場所が限られ、支援を必要としている人たちの元へたどり着くのは困難です。治安はいまだ安定せず、首都は完全にその機能を回復していません。雨期を迎えれば、道路事情なども悪化することから、国内各地へのアクセスは、さらに厳しい状況になるものと懸念されています。しかしながら、ユニセフは、全国民460万人が直接的あるいは間接的に巻き込まれているこの緊急事態に対し、パートナー団体とともに支援活動を行っています。

「暴力と武力紛争の激化で、何百万もの人々が基礎的な保健ケアを利用できません。何十万もの子どもたちが、貧しい生活の中、急速に拡大するはしかに感染する恐れがあります。アクセス可能であれば、どこでも予防接種を行うべく、ユニセフは、パートナーと共に支援活動を続けています。ユニセフの緊急事態時の最優先事項は、保健、栄養、水と衛生の分野で緊急支援活動を行うこと。そして、子どもたちを暴力から守り、家族と離れ離れになったり、武装グループに巻き込まれたりしている子どもを保護することです」(ユニセフ・中央アフリカ共和国事務所 スリマン・ディアバット代表)

今回の緊急予防接種キャンペーンのために、5月15日、首都バンギに24万6,500本のワクチンが到着。航空会社イージージェットの協力によって届いたこれらのワクチンのうち、10万本は同社による寄贈です。これらのワクチンは、はしかの流行を予防するためにバンギで実施される予防接種だけでなく、感染の危険が高まっている他の地域でも、定期的な予防接種活動で使用される予定です。

2013年3月24日のクーデター勃発以降、ユニセフは、バンギの主要な病院4ヵ所と全国の保健センターで緊急保健活動を行い、14万1,000人を最長3ヵ月間治療できる緊急保健支援物資を提供し、現場での活動を継続しています。

■参考資料:中央アフリカ共和国に関する基本統計(出典:ユニセフ「世界子供白書2012」)
5歳未満児死亡率 159人(出生1000人あたり) 世界で9番目の高さ
5歳未満児死亡数 年間154,000人、1人あたりのGNI 460米ドル
完全に予防接種を受けた比率 3種混合(DPT)3回 54%、ポリオ3回47%、はしか62%

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