|
|
コンゴ民主共和国:不安定な状況続く中 空輸による支援物資が届き始める【2008年11月11日 ニューヨーク発】 コンゴ民主共和国の北キブ州では、不安定な状況が続いています。政府軍と反政府勢力の武力衝突により、この2ヶ月間だけで、25万人以上が住まいを追われました。
11日、避難を余儀なくされている人々の保健面、人道面でのニーズに応えるため、飛行機2機分の緊急支援物資がゴマに到着しました。ここ数日内に、計10回の空輸が行われる予定で、すでに6回の空輸が行われています。 「これらの支援物資により、コレラや下痢性疾患の流行を食い止めることができます。どちらも北キブ州のほとんどの避難民キャンプで増加している伝染性の病気です。」ユニセフ・コンゴ民主共和国事務所のピエレット・ブ・ティ代表は話します。「届いたばかりの支援物資、間もなく届く支援物資・・・ほんとうに心から感謝しています。今回の武力衝突で影響を受けている子どもたちの生活を守り、改善するのになくてはならない支援です。」 武力衝突激化の懸念 先週、紛争解決に向けて多国間会議が行われ、国際社会から平和交渉を再開するようにという圧力が高まったにもかかわらず、武力衝突は北キブ州全体で続いています。 11日朝、反政府勢力を率いるローラン・ヌクンダ将軍は、二者間の直接交渉に合意しない限り、政府を倒すと再び語気を強めていましたが、政府側はこれを引き続き固辞しています。 一方、ここ数週間のうちに、武力紛争はさらに激化するものと見られるため、故郷に戻る避難民はほとんどいない状態です。 人道支援が届けられない!
不安定な情勢により、ユニセフとパートナー組織は、避難民全員に支援を届けたくても、届けられない状態にあります。 「一番憂慮しているのは人道支援を必要なところに届けることができないことです。」ユニセフ・ゴマ事務所のジャヤ・ムルシー広報官は話します。「今、全くアクセスすることができない地域が何箇所かあり、とても心配しています。病気の蔓延や栄養不良など、悲劇的な状況にならないよう、どうにか支援物資を送り込まなければと思っているのですが・・・。」 ユニセフは、北キブ州で、はしかの予防接種キャンペーンを行っていますが、コレラが流行する可能性も大きいのです。「全ての避難地域で、コレラの発祥件数が増加していると言います」と、ムルシー広報官。 飲料水を届ける! コレラの脅威を防ぐため、ユニセフとパートナー機関は、安全な飲料水の輸送と衛生環境の改善に努力しています。3,000人以上の避難先となっているキバチで、ユニセフとパートナー機関は、240のトイレを追加設置しています。 「ここの避難民には安全な飲み水が十分にいきわたっています。おかげで病気の流行を食い止めることができているのです。」(ムルシー広報官) 1996年から始まったコンゴ民主共和国内の武力衝突によって、命を落とした人の数は500万人以上になると考えられています。そのほとんどが、予防可能な病気や飢えによるものと見られています。コンゴ民主共和国でのユニセフの活動は、世界で活動しているユニセフの活動の中でも規模の大きいもののひとつです。 ゴマに置かれているユニセフの現地事務所に、2007年4月から常駐し、教育支援事業を担当している日本人スタッフ 青木佐代子さんが、11月に一時帰国。現地の最新状況とユニセフの取り組みを報告します。
|