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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

コンゴ民主共和国:何千もの学校が休校に

【2008年11月21日 ニューヨーク発】

© UNICEF DR Congo/2008/Harneis
北キブ州の小学校。数十世帯が避難生活を送っている。

コンゴ民主共和国東部の北キブ州で続く武力衝突により、何十万もの子どもたちが学校に通えなくなっています。州全体で、数千校が休校。多くの学校は、避難を余儀なくされた人々の避難所となっています。

ユニセフによると、新たな避難民の60パーセントが子どもたちであると推定されています。8月の終わりから、25万人を超える人々が武力衝突の影響で避難を余儀なくされ、この州で避難を強いられた人の総数は、100万人を超えると見られます。

ここ数日の間に、北キブ州の反政府組織の兵は既に撤退しましたが、人道支援のアクセスは、いまだ限られたままです。

武力紛争の影響で休校する学校

「武力衝突地域となったルツルでは、この3週間で85パーセントの学校が休校になり、およそ15万人の学齢期の子どもたちの教育が中断されています」と、ユニセフ・ゴマ事務所のジャヤ・ムルシー広報官は話します。

学校に行けないと、子どもたちは暴力や虐待の被害をより受けやすくなるとムルシー広報官は指摘します。

「学校は、子どもたちを保護する場所としての役割があります。学校が休校になると、子どもたちは、薪を集めたり、水を汲みに行ったり、屋外で何かを手伝ったり、ほかのことを始めます。そうすると、搾取、虐待、レイプの被害にあう危険性が高まったり、武力勢力によって徴用されやすくなったりするのです。

私たちは、状況が落ち着き、学校が再開することを心から待ち望んでいます。学校は、子どもたちの知的能力を高める場所というだけでなく、子どもたちを保護する場所でもあるのです。」

緊急時の学校用資材

© UNICEF DR Congo/2008/Harneis
北キブ州では25万人が新たに避難を強いられた。そのうち60パーセント以上が子どもたちで、ほとんどの子どもたちが、教育へのアクセスが閉ざされている。

ユニセフは、いくつかの地域で、緊急用の学校資材を提供しています。また、学校が再開できるように、学校に避難してきている人々を他の避難場所へ移動する支援も行っています。

ユニセフは、避難を強いられている子どもたちも教育を受けられるように活動を行っています。「私たちは、避難を余儀なくされている子どもたちとその地区にある学校を確認し、そうした子どもたちも学校に通えるようにしています。」ムルシー広報官はさらに続けます。「また、子どもたちの数が学校で受け入れられる人数を超えてしまう場合は、ビニール・シートで緊急用の教室を作っています。」

危険の高い避難生活が続くことによって、北キブ州の多くの子どもたちが、継続して学校に通うことが難しくなっています。

「この武力衝突は、最近始まったものではなく、10〜12年以上も続いています。ですので、一度も学校に通ったことがないという子どももたくさんいます。学校に行けなかった若者には、補修センターがあり、子どもの発達に非常に重要である基本的な読み書きと計算能力を身につけることができるよう、学習の支援をしています。」(ムルシー広報官)

1996年から始まったコンゴ民主共和国内の武力衝突。これによって命を落とした人の数は500万人を超えると言われていますが、そのほとんどが、予防可能な病気や栄養不良によるものと見られています。コンゴ民主共和国で展開されているユニセフの活動は、世界でも最も規模の大きいもののひとつです。

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