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コンゴ民主共和国: 悪化する反政府軍による殺戮と破壊活動【2009年3月13日 ニューヨーク発】
隣国ウガンダに拠点を置く反政府勢力「神の抵抗軍」(LRA)は、昨年の12月から、コンゴ民主共和国北東部に暮らす900人以上の人々を殺害。何百人もの子どもたちが誘拐され、数十万人のコンゴ民主共和国の人々が、この武力紛争の影響を受けて住む場所を追われました。 12月半ば、ウガンダ、コンゴ民主共和国、スーダン南部の各政府は合同で、国際刑事裁判所から指名手配を受けている反政府勢力のリーダーを発見・逮捕する計画を展開していましたが、この試みは失敗に終わりました。この報復として、神の抵抗軍は、銃や山刀、ハンマーなどの武器で、市民の殺害や放火を続けています。 この地域では、以前から様々な残虐行為が繰り返されていましたが、これほどの規模の殺戮と破壊行為が見られたことはありません。 深刻な被害を受ける農村部今回の殺害・誘拐行為の多くは、コンゴ民主共和国北東部のオリエンタル州にあるドゥングで起こっています。ドゥングは、森の奥深くに人口が点在する地域。舗装された道路はなく、住む場所を追われた人々に支援物資を届けることが難しい状況です。 「このあたりは、非常に人里離れた地域です。ヘリコプターで物資を運ぶしか支援方法がありません。またいつ攻撃が始まるかわからない危険もあります。」ユニセフ・コンゴ民主共和国事務所のピエレット・ブ・ティ代表は話しました。 この厳しい環境は、被害の規模を正確に測ることも難しくしています。「武力衝突の悪化によって、女性や子どもたちへの暴力が急増しているのではないかと懸念しています。」(ピエレット代表) 暴力に晒される世代神の抵抗軍は、1980年代半ばに、ウガンダ北部に暮らすアチョリの人々の権利を守ることを目的にその活動を始めました。しかし、今日では、この反政府勢力は、暴力的な戦術や子どもたちの誘拐といった悪名高さで有名となっています。 コンゴ民主共和国のオリエンタル州の人々が、神の抵抗軍の暴力の最近の犠牲者の大半を占めています。この数年の間、反政府勢力は、主にコンゴ民主共和国との国境近くのウダンガ北部の人々を標的としてきました。100万人近くのウガンダの人々が、世界で最も多くの避難民のいる地域のひとつ、ウガンダ北部で、この地域の政情不安のためにいまだに住む場所を追われています。 「一つの世代、あるいはそれをこえる複数の世代にわたる人々が、ウガンダ北部の紛争の影響を受け続けています。市民の人々の暮らしに、多大な悪影響を与え続けているのです。」ユニセフ・ウダンガ事務所のチュルホ・ヒュン広報官は話します。 子ども兵士の社会復帰子どもたちは暴力の犠牲者として、あるいはこの武力紛争に無理やり参加させられて、最も影響を受けています。ユニセフは、神の抵抗軍から子どもたちを解放し、コンゴ民主共和国やウガンダの社会に再び復帰できるように支援しています。これはユニセフの重要な使命のひとつです。 過去数年にわたり、ユニセフは、武力勢力によって誘拐された何千人もの子どもたちを彼らの家に帰還させる支援を行っています。しかし、生まれ育ったコミュニティへの復帰は、子どもたちや彼らのコミュニティにとって、容易いことであるとは限りません。 「ウダンガ北部では、武力勢力から帰還した子どもたちを取りまく不安要素が存在しています。子どもたちが反政府勢力で戦ったことへの非難や偏見。また、子どもたち自身も、日常生活の感覚を取り戻す困難に直面するのです。」(ヒュン広報官) ユニセフは、神の抵抗軍が最近誘拐したほとんどの子どもたちを、家族に再会させることに成功しています。現在は、子どもたちが安心して家族のところへ戻れるよう活動しています。また、保健ケアと様々な支援物資を、ドゥングの多くの子どもたちとその家族に提供しています。 |