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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

コンゴ民主共和国:教育の中に「日常」を捜す子どもたち

【2011年3月4日 コンゴ民主共和国発】

© UNICEF video
コンゴ民主共和国北キブ州ワリカレのとある民家で、家族のために夕食の準備をするウジュンベ・キワバントゥちゃん(12歳)。

コンゴ民主共和国に暮らすウジュンベ・キワバントゥちゃん(12歳)は、2年前、武力紛争によって、突然住む場所を追われました。キワバントゥちゃん一家の自宅は、何度も武力勢力に襲撃を受け、村には放火される民家もあるなど、衝撃的な体験をしています。

キワバントゥちゃん一家は、暴力から逃れるため、北キブ州東部の人里離れた熱帯雨林地帯、ワリカレに住む親戚の元に身を寄せました。時に16人もの人々が、1年以上にわたって親戚の小さな家で暮らしています。他に選択肢はほとんど残されていません。「ここで暮らすのはとても大変よ。」ウジュンベちゃんはこう話します。「でも家に戻っても、あそこでは戦争が続いているから、ここにいるしかないの。」

児童労働
© UNICEF video
コンゴ民主共和国北キブ州ワリカレで、学校に通っているウジュンベ・キワバントゥちゃん(12歳)。

コンゴ民主共和国は、世界で2番目に貧しく、子どもたちにとって最も危険な国のひとつと言われています。武装勢力や民兵たちは、子どもたちを兵士や性的奴隷、労働者として利用しています。5歳から14歳までの子どもたちの30パーセント以上が、何らかの形態の児童労働に従事させられており、2009年には、20歳から24歳までの女性の40パーセント近くが、18歳になる前に結婚させられました。

世界の人口の約5分1は若者です。人生で非常に重要なこの時期に、若者たちが学校に通い続けることがとても大切です。特に、早婚や児童労働をはじめとする様々な暴力や搾取に晒されやすい、国際的に最も弱い立場に立たされている国々の女の子たちをはじめとする若者たちは、学校に通い続けなければなりません。

音楽と歌が大好きなウジュンベちゃん。彼女は、他の国の子どもたちの生活環境と自らが置かれた環境が全く違うことを良く理解しています。自身が恵まれない環境にいる事を知っているのです。しかしウジュンベちゃんは、将来、充実した、また生産的な人生を送れるおとなになるためのチャンスを切に望んでいます。「私の人生は、他の国の人のそれとは違うの。あの人たちには、“手段”があるもの。」ウジュンベちゃんはこう話します。学校へ行くことと、家族が食べるものを探すことで彼女の1日は終わってしまうのです。

より良い生活

しかしながら、毎日学校に通うことは、ウジュンベちゃんの生活の中にある、僅かな喜びのひとつとなっています。「学校で、どんな人間であるべきか、学校の外でどのように生活すればいいのかを教えてもらえたので、とても嬉しいわ。」ウジュンベちゃんは、学校を卒業したいと思っています。しかし、また武力紛争が再発し、避難を余儀なくされるのではないかと、不安も感じています。

世界の若者の半数近くは、中等教育を受けていません。コンゴ民主共和国で中等教育を受けている人の割合は、わずか27パーセント。しかし、入学しても、その多くが十分な技術を取得する前に退学しています。ウジュンベちゃんはじめ、多くの子どもたちが、日々の生活を送るために必要な基本的な生活必需品さえままならないのです。「飢えが怖いの。」ウジュンベちゃんはこう訴えます。

ウジュンベちゃんの最大の夢は、より良い人生を送ることです。この夢の実現は、ウジュンベちゃん自身だけでなく、同じ世代の他の子どもたちにとっても難しい夢ではありますが、ウジュベちゃんは希望を持ち続けています。「私はこの国が平和になってほしい。」「みんなが故郷に戻って、幸せに暮らせるように。」

ウジュベちゃんの望みをかなえるべく、彼女のような若者たちの声を聞き、子どもたちを育み、守っていく必要があるのです。

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