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コートジボアール:栄養不良の赤ちゃんの命を守る【2010年4月1日 コートジボアール発】
9人目の子どもが生まれてから、シルエ・ケワ・チェワさんは母乳が出ませんでした。そのため、生後6週目のファトウマタちゃんは低体重児です。 最近、チェワさんはユニセフが支援している赤十字栄養治療センターにファトウマタちゃんを連れて行きました。するとわずか数日のうちに、200グラム近くも体重が増えました。 「出産してから、2週間母乳が出ませんでした」と、チェワさんは話します。「近所の人が私にこのセンターのことを教えてくれましたが、(そんな所に行かなくても)母乳がまた出るだとうと思っていました。薬局で母乳促進剤を買って飲みましたが、2時間しか効き目がありませんでした。」 悪霊のせいで「子どもが栄養不良になると、身体の発育や知能の発達が遅れてしまいます。こうしたことを受け入れられない親は、これを悪霊のせいにするんです。」赤十字栄養センターのサリマタ・コウリバリーさんはこうに話します。「中には、子どもを捨ててしまう人もいます。私たちの最初の仕事は、なぜ子どもが病気なのか、また、どうしたら良くなっていくのかを彼らに説明することです。」 この農村では、かつて木綿が主要な作物でした。しかし、経済危機に加え、コートジボアールの政情不安も重なり、多くの家庭が疲弊しています。農家の人々は、家計の帳尻を合わせるために、自分たちが食べるための作物も犠牲にして、農作物を売らざるを得ない状況です。 村では、栄養不良の割合は非常に高くなっています。ユニセフは、地元当局とNGOと協力して、こうしたコミュニティへの支援と人々の栄養不良に対する認識を高めるための活動を行っています。コミュニティで活動する保健スタッフは、治療を受けた子どもたちのフォローアップをするために、家庭訪問も行っています。 食糧と医療ケアの提供この日、バホウアカハという村の診療所では、4人の保健ボランティアが、子どもの体重を増やしたいと切望する150人近くの母親と子どもたちの対応をしていました。 人でごった返す中、ヤグノン・シルエさんは、保健ボランティアが、まだ2歳にも満たない小さな娘のサロメちゃんの体重を測定する様子を見守っていました。先月、深刻な下痢に苦しむ前のサロメちゃんの体重は8.7キロでした。しかし、今日は7.9キロしかありませんでした。シルエさんは、診療所へいって豆と大豆の粉1キロを受け取るように指示されました。 サロメちゃんより深刻なケースも少なくありません。そうした場合、子どもたちは、コルホゴという町にある病院で、集中的な治療を受けることになります。 |