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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたちは今

コートジボワール:国中で続く混乱の最前線で支援を届けるユニセフ

【2011年1月19日 コートジボワール発】

© UNICEF Cote d’Ivoire/2011/Slavin
コートジボワールのドゥエクエにある教会は、安全な場所を求める人々で溢れかえっています。そのほとんどが子どもと女性です。

アフリカ西部に位置するコートジボワールは、長年民族間の衝突に悩まされてきました。今もまた、その大部分が子どもと女性で占められる約1万5,000人もの人々が、「安心できる場所」を求め、人で溢れかえった教会に逃れてきています。

去年の11月に行われた大統領選挙から国中で続いている混乱。こうした国内避難民のほとんどは、その混乱が原因で今月初旬に勃発した武力衝突により、住む場所を追われた人々です。

「ユニセフは、この混乱が始まった当初から国内避難民への支援を続けています。軍の検問所を通り、最も厳しい状況にあるコミュニティに、子どもたちの生命線となる支援を届けています。」ユニセフ・コートジボワール事務所シルヴィー・ドス代表代理は話します。「ユニセフは、他の人道支援団体などと協力して、一人でも多くの子どもたちの命を守るべく、この混乱の最前線で活動しています。」

避難キャンプでの活動

© UNICEF Cote d’Ivoire/2011/Slavin
コートジボワールのドゥエクエにあるユニセフの緊急物資供給拠点で。この子どもたちの家は、現在続いている混乱の中、焼き討ちや略奪の被害に遭いました。

この混乱の中、多くの民家が略奪され燃やされました。避難を余儀なくされた人々の多くは、ほとんど何も持っていない状況です。

「ユニセフは、毛布や敷布、殺虫処理済みの蚊帳、高カロリービスケットを提供しています。また、家族と離れ離れになった子どもを再会させる支援も行っています。」混乱の最前線の地域にユニセフが設置した事務所でチームリーダーとして活動しているエリ・ラマモンジソア医師は、こう話しました。

ユニセフ・マン事務所は、コートジボワール西部の3都市(ダナネ、ドゥエクエ、マン)に設置された避難キャンプでの緊急支援活動を統括しています。ユニセフは、先週、緊急に求められている飲料水を確保するため、マン避難キャンプに容量5,000リットルの貯水タンクを設置しました。

最も弱い立場の子どもと女性

「まだまだやらなければならないことが山積みしています。学校やレクリエーション活動を開始できるよう準備を整えています。」ラマモンジソア医師は、トラウマに対するカウンセリングやHIV/エイズに対する予防対策、ジェンダー間の暴力を防止する活動も実施する予定だと話しました。「屋外や人で溢れかえった教会で夜を明かすことは、子どもと女性を最も危険な状況に立たせているのです。」

さらに、ユニセフは今週、5万リットルの飲料水を浄化できる浄水剤1,000錠をドゥエクエの191世帯に配布しました。

家が焼き討ちされ、一時的に避難所となっている教会や学校に避難している20世帯を含む、避難を余儀なくされた人々には、バケツと石けんを配布。石けんと飲料水は、子どもの主な死因となっているコレラと下痢性疾患から幼い子どもたちを守るために必要不可欠なものです。

停止してしまった学校活動

© UNICEF Cote d’Ivoire/2011/Slavin
コウアメ・エヴァリステさん(18歳)は、すぐに学校が再開されることを願っています。最近の政治的な混乱の影響で、多くの学校が閉ったままです。

一連のコートジボアールの「選挙後の問題」の中で、あまり注目されることのない問題のひとつは、コートジボワールのほとんどの学校が11月の大統領選挙以来再開されていないということです。多くの教員や学校関係者は、大統領選挙に関わる運動に参加しました。全19地域のうち9地域の多くの学校が閉校したままとなっているのです。

「学校が再開できないのは、この混乱のせいです。」ユニセフや他の支援団体から浄水剤と石けん、容量15リットルのバケツを受け取ったソウマホロさん(18歳)は、こう話しました。ソウマホロさんは、ジーン・グラウ専門大学に通っていました。

いつ授業が再開してほしいかと尋ねると、ソウマホロさんは、「(来週の)月曜日」と一言で答えました。

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