
エチオピア:殺虫剤処理された蚊帳が子どもたちの命を守る!
【2008年8月5日 エチオピア・シェベディノ発】
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© UNICEF Ethiopia/2008/Tibebu |
殺虫剤処理された蚊帳を受け取り喜ぶムルネシュ・ムッセさん家族。蚊帳はユニセフが提供している。 |
エチオピアのほとんどの地域で、雨季が本格的に始まりました。雨は、干ばつに悩んでいた農村部のコミュニティに希望をもたらしてくれますが、同時に、マラリアを媒介する蚊(ハマダラカ)にとっては、繁殖に合った最高の条件を提供してくれるものでもあります。
2005年以来、2000万張以上の殺虫剤処理された蚊帳がエチオピアのマラリアが発生しやすい地域の1000万世帯以上に配布されています。蚊帳の寿命はわずか3年※。そのため、以前のキャンペーンで配られた蚊帳はすでに効力を失っています。
シェベディノ地区に暮らすムルネシュ・ムッセさんは、4人の子どもたちと一緒に殺虫剤処理された蚊帳の中で寝ています。
ところが、蚊帳の一辺はすでにギザギザに切れ、表面の真ん中には大きな穴があいています。この状態では、蚊帳を吊っても彼女と家族をマラリアから守ることはできません。
女性保健員
メドハニット・ティラハンさんとベズネシュ・ベケレさんは2万4000人いる女性保健普及員のひとりです。彼女たちは、村レベルで派遣され、農村部の人たちに健康を守る知恵を提供しています。
これは、マラリアを抑制し、根絶するためのエチオピアの主戦略の一環です。保健員たちは、一軒一軒家を訪ね、殺虫剤処理された蚊帳がきちんと使われているかを点検し、コミュニティに使用方法を伝えています。
ティラハンさんとベケレさんは、ムッセさんと4人の子どもたちが使うベッドの上にある蚊帳を外す手伝いをします。殺虫剤処理された新しい蚊帳と交換するのです。
「私が働き始めた頃は、たくさんの人々がマラリアに感染していました。同じ家族の中で、2人も3人もマラリアにかかっている状態だったんです。当時は、マラリアで命を落とした人を1日に2〜3人葬っていたこともありました。」
女性保健員は、保健拡大普及プログラムの重要な一角を成しています。このプログラムはユニセフ支援のもと、エチオピア連邦保健省が2005年に開始したものです。
「私たちが成し遂げてきたことを考えるととてもうれしいです」とティラハンさん。「最初は、私自身が病気から自分の身を守るのに必死でした。でも、今では、自分の経験を他の人たちのお手本として示し、みんなの生活を変えられればと思っています」。
マラリアと栄養不良
干ばつに関連して起きる栄養不良は、免疫力を低下させるため、マラリアへの感染力を高めてしまいます。また、下痢と貧血により、栄養不良がさらに悪化することもあります。
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© UNICEF Ethiopia/2008/Tibebu |
村の保健所で殺虫剤処理された蚊帳を受け取るために並ぶシェベディノ地区の人々。 |
「栄養不良の子どもがマラリアに感染すると、合併症を引き起こしやすく、死亡する危険性が高いのです。あの地域には、非常にたくさんの栄養不良の子どもたちがいますから、殺虫処理された蚊帳を配布しているのです」と語るのはユニセフ エチオピア事務所の保健担当官テルシット・アッセファ医師です。
栄養不良の子どもたちを致命的な状況にまで陥れかねないマラリアを防ぐため、日本政府からの支援でユニセフが提供した14万張の殺虫剤処理された蚊帳は、干ばつで被害を受けた地域に配布されています。このキャンペーンが始まってからというもの、マラリアの大規模な流行は発生していません。
このキャンペーンは、ユニセフ、世界基金、世界銀行、そしてカナダ国際開発庁(CIDA)や日本政府といったドナー(資金提供者)により支援されています。
※ユニセフは、この他効力が5年以上続く殺虫剤処理済の蚊帳の普及も進めていますが、同種の蚊帳の生産量が限られているため、不足分をこうした蚊帳などで補っています。
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◇ 募金のお願い ◇
財団法人日本ユニセフ協会では、アフリカの子どもに対するユニセフの緊急援助を支援する「アフリカ緊急募金」の受付を行っています。皆様のご協力をよろしくお願い致します。

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