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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたちは今

ガンビア:FGM/C(女性性器切除)根絶に向けた宣言

【2009年6月22日 ガンビア・ダルシラミ発】

© UNICEF Gambia/2009/ Parker
元FGM/C施術者のコバイエ・ニャバリーさんは、伝統的慣習を放棄したことを公言しました。

アッパー・リバー地域のこの村のお祭りの雰囲気は、結婚式を連想させます。しかし、この歌と踊りは、実は、24の近隣の村々が、FGM/Cの根絶を公式に宣言した祝典の一部だったのです。

元FGM/C施術者のコバイエ・ニャバリーさんは、演壇に向けて元気よく歩き、宗教指導者、村長、そして若者グループを含む600人以上の観客の前で正々堂々と宣誓しました。

彼女は、FGM/Cを施術していたときのことを思い出しながら、次のように話しました。「子どもたちは衰弱し、ときには昏睡状態になることさえありました。親たちは子どもたちを救う捧げものにするために、様々な物を運んできます。私たちは親に、魔術師のところへ行くように伝えると、親は、それは魔術の仕業であると告げられるのです。私は、自分のナイフが魔術であったなどとは思いもしませんでした。」

変化のための働きかけ

式典では、ニャバリーさんのような証言が数多くあり、ユニセフが支援したコミュニティーの発展とエンパワメントプログラムにおける画期的な出来事でした。プログラムは、アッパー・リバー地域の80のコミュニティーに、社会変容に向けた革新的かつ総体的なアプローチのために導入されました。

TostanというNGOによって実施されたプログラムでは、民主主義と良い統治、人権と義務、問題解決、衛生、健康、識字能力と管理能力といった課題に焦点を当てています。

プログラムでは、アフリカに昔から言い伝えられている物語、詩、演劇、歌を基にした手法を採用しています。実用的な識字能力は、上述のような課題に取り組み、参加者が新たな知識を隣人や親戚と再考、共有することを可能にします。

有害な伝統

FGM/Cは、アフリカとアジア西部における約28カ国で行われました。中でもガンビアでは、15〜49歳の女性のうち78%がFGM/Cの施術を受けているという深刻な状態で、中でも、アッパー・リバー地域ではその値がより高くなっています。

FGM/Cは、女子や女性にとって、出産時の合併症、妊婦の死亡、不妊症、尿失禁、感染症および破傷風など、身体的、精神的に深刻なリスクをもたらします。

2005年、児童法では、早婚やFGM/Cのような有害な伝統的慣習に対処するための法的枠組みを提供しました。しかし、伝統を取り巻く施術への固執と文化的信条が議論となり、アドボカシーとコミュニティー・エンパワメントが最適な手段であることが明らかになりました。

FGM/C根絶に向けた呼びかけ

ダルシラミにあるような公共の機関は、尊敬を集めている施術師が考え方を変える手助けをすることで、この有害な伝統を終わらせるために取り組んでいく予定です。

「過去を振り返っても、私は自分がしたことを取り消すことなどできないのです。過去の行いを償うために私ができる唯一のことは、FGM/C反対の支持者となり、全ての女性に一丸となるよう呼びかけ、FGM/Cの根絶を目指すことです。」と、ニャバリーさんは話しました。

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