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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

ユニセフ、ガザの武力衝突後に恐怖と向き合う子どもたちを支援


【2008年3月25日、パレスチナ自治区・ガザ発】

先月末新たに勃発した武力衝突で、ガザ北端の町ジャバリアは大規模な被害を受けました。この武力衝突によって、2007年6月以来続くガザ全域の封鎖によって次第に悪化していった人道危機の状況はさらに悪化しました。

少なくとも25人の子どもたちが、イスラエル南部に打ち込まれたミサイルによる攻撃に続く軍事侵攻により死亡したと報じられました。

武力衝突の傷跡が残る中、ユニセフは、地元NGOと協力して、グループカウンセリングを通じて、精神的に傷ついた子どもたちを支援する活動を続けています。

武力衝突で傷ついた子どもたち

© UNICEF video
ガザの最近の新たな武力衝突で、多くの子どもは何日も家から出られず、爆撃音におびえました。

「何日にもわたって激しい武力衝突がありました。最悪の状況でした。」と、アメッドくん(12歳)は語りました。

戸外にも出られず、家族と子どもたちの多くには、水も電気も途絶えた家でじっとしているしかありませんでした。多くの子どもたちは、ミサイルなどの爆撃音にとてもおびえていました。多くのお母さんやお父さんがたは、子どもたちが攻撃的になったり、興奮状態が続いたり、悪夢を見たり、お漏らしをしたり、一人になることを怖がっていたと語ります。

ターリーちゃん(12歳)は、次のように話してくれました。「弟はとても怖がって、今もトイレに一人で行けないんです。悪夢で夜中に目覚めることもあるので、怖がらなくていいんだよと、ベットの脇で彼をなだめてあげてるんです。」

「癒し」を促すおしゃべり

© UNICEF video
ユニセフは、こうしたカウンセリングを通じて、パレスチナの子どもたちに、恐怖心などの自らの感情をコントロールする術を身に付ける機会を提供しています。

「子どもは、殺人や人が怪我をするのを目撃したんです。こうしたこと全てが原因となって、子どもたちの問題として現れているんです。現在、わたしたちは子どもがショックによる問題行動を克服する支援を行い、現状に適応できるように支援する努力を続けています。」と、地元NGOのプロジェクトコーディネーター イナス・アルハチブさんは話します。

ユニセフが支援する心理社会治療プログラムは、子どもたちが自らの感情に対処する術を教わりながら、安心して他者に自らの恐怖心や恐怖の体験を吐露できるような場所を提供しています。また、専門的な治療が必要な子どもには、地元のNGOが、個別カウンセリングを行えるよう体制を組んでいます。

現在、ジャバリアの通りは静けさを取り戻しました。しかし、この町の子どもたちにとっては、いまだに先の見通しが立たない状況です。ユニセフや地元のNGOによる支援は、彼らに未来への希望を与えています。

「大きくなったら、お医者さんになって、傷ついて被害を受けることが多い子どもを治療して、その苦悩を終わらせてあげたいです。」と、アメッドくんは夢を語りました。

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