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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

≪2001年9月17日信濃毎日新聞掲載≫

「願いの樹」に熱い思いを込め
<グルジア>

 ズグジジは黒海とカスピ海に挟まれた国、グルジアの西部に位置するとても人口の多い町です。なぜなら隣接する町から何千もの人々が難民としてやって来るからです。この町の失業者、貧困者、特に子どもたちの生活は非常に厳しい状況です。また千人を超すストリートチルドレンがいるといわれています。子どもたちのほとんどが家族とともにアイスクリームを売っているか、教会の近辺で物ごいをして生活をしています。

 この町に、ストリートチルドレンを対象とした保育所がユニセフの協力で開館しました。現在は8歳から15歳の子どもたちがセンターで絵を描いたり、裁縫をしたり、読み書きの勉強をしたり、コンピュータのクラスに参加したりしています。

 その中の一人アスマティという14歳の女の子は、このセンターに来るようになって1年になります。彼女は今では、ユニセフ主催の世界的な署名キャンペーン「Say Yes for Children」の活動を理解し、署名運動に参加して、自分の名前を自分の考えで署名することができました。彼女はすべての子どもが教育を受けるチャンスがほしいと強く願っています。そして彼女のもう一つの願いは、いつの日かダンスの勉強をしたいということです。

 このような子どもたちの思いが込められた「願いの樹(き)」が、センターの中に置かれています。この樹にはさまざまな色や形の紙が飾られています。その紙に子どもたちひとりひとりの願いや夢が込められているのです。お人形や車の欲しい子、家族や家の欲しい子、首都のトビリシへ行ってみたい子、中には夢を語りたくない子どももいます。

 「Say Yes for Children」キャンペーンの目標は、「世界中の子どもたちが幸せに暮らせるような世界をつくろう、私たちの手で世界を変えていくために、世界を呼びかけていこう」。この世界共通の願いが、センターの子どもたちの中でもはぐくまれ、彼らを支える大きな力になると彼ら自身も信じています。

 ストリートチルドレンの熱い思いの込められた「願いの樹」に、いつの日か満開の花が咲くことを願わずにはいられません。

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