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グルジア:武力衝突により緊急支援を必要とする子どもは約4万人【2008年8月22日 グルジア発】
ユニセフは、8月22日、グルジアでの武力衝突により影響を受けた4万人近い子どもたちが憂慮すべき状況にあると発表しました。 子どもたちの生活条件、心理社会面での問題、栄養が悪化し、健康が脅かされていると警告。 ユニセフ・グルジア事務所のジオバンナ・バルベリス代表はこう伝えています。「ユニセフの調べでは、子ともたちが現在生活している避難所は、居住に適した状況にありません。避難所は衛生状態・施設の面でも、また、建物の安全性でも、最低限の基準さえ満たしていません。ほとんどの避難所が壊れた建物の中に設置され、トイレや窓ガラスがない状態の所が多く、電気や水道もたまにしか供給されない状態です。」 「避難所にいる乳児には、栄養補充食品が必要ですし、もう少し大きな幼児たちには果物や野菜など栄養豊富な食品が、緊急に必要とされています。またオムツ、そのほかの衛生用品、玩具も必要です。すでにアタマジラミや水疱瘡、真菌感染症などが報告されています。定期的な保健サービスはなく、薬を入手することもできず、心理社会面での支援もありません」とバルベリス代表。
ユニセフの調査チームは、訪問した避難所の子どもたちの多くに、睡眠障害などの心的外傷後ストレス障害の兆候が見られると報告しました。大半の子どもたちは、非常に困難な状況にあるため、情緒不安定になっています。子どもたちの多くは、共通して、恐怖、不眠、神経症、頭痛などを訴えています。 バルベリス代表は、この時期に経験したことがトラウマとなり、子どもに悪影響を及ぼす可能性があると指摘し、しかもそれが長期化する可能性があると述べました。
ユニセフの支援活動ユニセフは、避難を余儀なくされている女性と子どもたちに、寝具を含め、基礎的な食糧、飲料水、衛生用品を積極的に提供しています。 子どもたちに心理社会面でのケアを提供するため、ユニセフは、トビリシ周辺の避難所に、「子どもに優しい空間」を設置する予定です。この「子どもに優しい空間」は、子どもたちに保護とケアを提供し、子どもたちが徐々に普段の生活に戻れるよう支援するためのものです。ユニセフは、新学期が始まる9月中旬に学校が再開できるよう準備を進める予定ですが、その間、「子どもに優しい空間」は、仮設の学校としても利用できます。
ユニセフは、パートナーと協力して、初回配布分として、スクール・イン・ア・ボックス400個と水と衛生のキットを300セット、グルジア東部の避難所に提供することにしました。「『スクール・イン・ア・ボックス』は、多くの避難所に、子どもに優しい空間を設置するのに役立ち、子どもや若者たちの心理社会面での初期活動を推進するのに役立つでしょう」と、ユニセフ。 ユニセフはまた、避難所にいる推定4、200人の生後6ヶ月から2歳児のために、緊急に必要な栄養補助食品を支援する準備も整えています。さらに、ユニセフは、グルジア当局に対し、「完全母乳育児」を推進するよう提言を続けていますが、人道支援として大量の母乳代替品が届いていることにすでに懸念を表明しています。 ユニセフは、グルジア国内の避難民12万8,700人のうち3万8,610人が18歳未満の子どもで、5,700人が2歳未満の子どもであると推測しています。 |