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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

グルジア、南オセチア地区で紛争の被害にあった子ども達、女性への緊急支援
近況報告 2008年9月9日

【2008年9月9日 グルジア発】

ハイライト

スクール・イン・ア・ボックスキット、折りたたみ式の水の容器、家庭用浄水キット、レクリエーションキットを含んだ緊急支援物資が9月5日(金曜日)にトビリシに到着した。

一般的な状況

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©UNICEF/ HQ08-0699/Cliff Volpe

多くの村や町、特にカレレティとヴァリアニ地域には立ち入りができないため、ゴリ北部の村や町に物資を届けようと努力している人道支援団体は難しい状況に立たされている。国連カントリーチームによると、地元の有力者とロシア軍の交渉の結果、食糧はイメレティ地域のサチクヘレに位置するペレビ村に初めて運ばれた。

国連機関はいまだにカレレティと南オセチア地域との国境間地域は立ち入りができない。国連合同調査・人道支援ミッション(UNDSS(国連安全保安局)、OCHA(国連人道問題調整事務所)、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)、ユニセフ、そして、WFP(国連世界食糧計画)の代表者で成り立っている)は現在カレレティ検問所以降への立ち入りができない。

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©UNICEF/ HQ08-0691/Cliff Volpe

UNHCRの数値によると、1600人の国内避難民が現在ゴリのキャンプに居住している。加えて、同じゴリの収容保護施設(コレクティブセンター)に2400人、さらに2400人近くがホストファミリーに滞在している。また、いまだにトビリシに住んでいる被害を受けた多くの避難民も多い。

NCDC(国家疫病管理センター)によると、避難民コミュニティー内では感染症はまだ発生していない。しかしながら、食糧不足と関連して散発性の下痢や皮膚病は報告されている。ユニセフは、避難民と帰還者を対象とした、疫病サーベイランス分野でNCDCを支援している。

青少年更生施設の状況

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©UNICEF/ HQ08-0686/Cliff Volpe

ユニセフ子ども保護チームは、先週トビリシにある青少年更生施設を訪問し、拘留、投獄されている子ども達への紛争による心理的・社会的影響の調査を行った。多くの収容者は、紛争の間、孤立と家族との音信不通により深刻なトラウマに陥っていたが、ほとんどのスタッフは、極度のストレスを受けた状態の子ども達をどう支援するかについて経験や知識はほとんどなかった。体験したストレスやトラウマのために、多くの子ども達は長い期間の心理的・社会的支えが必要になるであろう。

ユニセフはトビリシの青少年更生施設にスクール・イン・ア・ボックスキットとリクリエーションキットを提供した。また、子ども達の必要に応じて、他の施設にも同様の物資、及び、衛生用品を提供する予定である。今後、ユニセフは社会的・心理的ケアに関する訓練を施設のスタッフに実施する予定で、地雷回避教育がそれらの施設で行われる教育プログラムに含まれるようにする予定である。

ユニセフの対応

保健と栄養

地元NGOクラリタスへのユニセフ支援を通して、0歳から2歳の974人に及ぶトビリシ、ゴリ、テラヴィ、バトゥーミ、クタイシの避難民の子ども達に対して、どういった食事が与えられているのか調査が実施されている。また、母親を対象としたカウンセリングも行われている。

974人の避難民の子どものうち、338人が6ヶ月未満児である。与えられたデータによると、338人中138人が完全母乳、125人が混合、75人が粉乳で育てられている。また、6〜12ヶ月の117人の子ども達のうち、85人(72%)が母乳育児を受けている。ユニセフは、クラリタスの支援により行われる栄養調査のために必要な備品をもうすでに供給し終わっており、今後は、国際的に認識されている基準や原則に従って、目標とされた避難民の栄養的必要を満たすことを目的としている。

子ども保護・教育

ユニセフは、グルジアにあるチャイルドケア施設で、紛争後の子ども達の状態やニーズを知るために調査している。この調査で、ユニセフは紛争地帯にあるチャイルドケア施設の子ども達は多くのストレスにさらされていて、即急な精神的サポートが必要だと懸念している。

ユニセフは、UNHCRと避難民の子ども達がトビリシ、ゴリにある学校に通う可能性について話し合った。多くの国内避難民の子ども達が証明書類を持っておらず、教育科学省からの再保証がない限り、地元の学校への立ち入りは難しいとユニセフは懸念している。ユニセフ、UNHCR、そしてノルウェー難民委員会は状況を調査する方法を計画しており、学校や地方自治体と、証明書類の欠如や未確認の立場は、国内避難民の子ども達への教育の妨げにはならないことを明らかにするために努力している。

国内避難民、帰還者、紛争で被害を受けた子ども達に心理的・社会学的ケアをする専門家を育成する訓練は、10日(水曜日)に始まった。

ユニセフは、社会的・心理的ケアサービスを含む「子どものための場所」の用意をゴリにある避難民センターで調整している。

水・衛生

ユニセフは、水委員会をゴリにある避難民キャンプに創設することを可能にした。その委員会メンバーは、キャンプのコミュニティー内で、衛生環境促進と水設備の運営の訓練を受けることになる。

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