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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

グルジア:武力紛争の傷も癒す水道とトイレ

【2009年8月3日 グルジア発】

© UNICEF video/2009
グルジアのゴリ近郊に建つトルティザ村学校で、ユニセフとIRCの支援で設置された蛇口から出る水を使う女の子。

ゴリ近郊のトルティザ村にある小学校には、グルジアの南オセチア自治州をめぐり2008年に勃発した武力紛争の傷跡が未だに残っています。校舎の本館のひとつは、火災で全焼し廃墟のようになっています。

しかしながら、その他の校舎には、ユニセフと国際NGOのIRCの支援によって、新しい給水設備と改善された手洗い場、水洗トイレが設置されました。こうした活動は武力紛争からの復興支援活動の一環として行われています。

昨年、トルティザ村学校は、3ヵ月近く休校になりました。現地教育当局は、校舎の安全性が確認でき、学校で避難生活をおくっていた人々が、替わりの住まいを見つけるまで学校再開を留まっていたのです。

ナティア・シルビラゼちゃん(9歳)は、学校が、以前より良くなったと感じている多くの子どもたちのひとりです。「水道があるから、今とても嬉しいわ。以前は、友達の家まで水を汲みに行かなければならなかったの。それに、今はトイレもできたし、とっても嬉しい。」ナティアちゃんは話します。

健康を保つための良い衛生環境

写真
© UNICEF video/2009
学校に設置された新しいトイレの前に並ぶ子どもたち。

また、トルティザ村学校に通う子どもたちは、IRCから衛生習慣の研修も受けました。子どもたちは、ここで得た知識を、家族や避難所で生活している人々とも共有しています。

「様々な感染疾患について学びました。また、下痢を引き起こす原因についても学びました。」こう話すのは、タマル・アクハルカティちゃん(14歳)です。「学校が新しくなるまでは、トイレも手を洗う水も、飲み水もありませんでした。よく近くの民家に水を汲みに行っていたので、授業に出られないこともありました。」

昨年の夏に起きた武力紛争の間、ユニセフは、水と衛生、公衆衛生部門における緊急支援活動で指導的な役割を果たしました。ユニセフは、IRCをはじめとする人道支援団体と協力して、衛生用品や飲料水用ポリタンクなどの支援物資を、10万人以上の避難民に届けました。

安全な水の提供

トルティザ村学校での支援活動に加え、ユニセフは、下痢性疾患の流行を防ぐため、ゴリの飲料水供給システムを改善する支援を実施しています。

ユニセフが、最近ゴリの市当局に提供した、古くなったり、紛争で破壊されたりした水道管や下水管を交換するのに必要な掘削機も、この支援の一例です。現在、ゴリや周辺地域の5万人を超える住民に供給されている飲料水は、定期的に塩素消毒されています。また、農村部では、安全な水を提供するために、古い貯水タンクや水道管の修繕も実施されています。

「武力紛争や自然災害が起こった時、ユニセフがさまざまな人道支援団体と協力して、全ての子どもたちやその家族に安全な飲料水を提供し、人々が、衛生的な最低限の生活を送れるような衛生環境を保つために必要な支援物資を提供することが必要不可欠です。」 ユニセフ・グルジア事務所のベンジャミン・パークス副代表は、こう語ります。

グルジアは、豊かな水資源に恵まれた国です。武力紛争の影響を受けた人々は、今、家を再建し、生活を立て直し始めています。ユニセフは、公衆衛生と衛生環境をさらに向上させ、全てのコミュニティで安全な水が確保できるよう、支援活動を続けています。

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