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ギニア:救急バイクが人々の命を救う【2009年6月22日 ギニア発】
救急バイクで運ばれたマリエ・トウンカラさんは、男の子を出産するため緊急処置室に急送されました。非常に危険な状態だったため、赤ちゃんの命を守るためにトウンカラさんは帝王切開の手術を受けました。 「とても疲れました。まだ痛みはありますが、私は生きています。私の赤ちゃんも」と、トウンカラさん。「私は幸せです。救急バイクの運転手の方に感謝しています。」 もし、この救急バイクがトウンカラさんを人里離れた農村部にある村からキシドーグーの病院まで連れて行ってくれなかったら、彼女の赤ちゃんの命は助からなかったでしょう。 ギニアの農村部は道路状況が悪く、車やトラックでは直接アクセスすることができない村が多くあります。このため、荷車付きオートバイの救急車は、病院での治療を緊急に必要とする重篤患者が出た場合、村の人々にとって必要不可欠なものとなっています。 「ムリガ」プログラム
救急バイクは、より発展的な妊産婦保健プログラム——「ムリガ」と呼ばれる共済健康保健体制——の一環として、2008年にスタートしました。 ユニセフは、ギニア政府と共に「ムリガ」プログラムを立ち上ました。「ムリガ」は、コミュニティを基盤とした妊産婦向けの保険プログラムで、非常に少額の年間費を払えば、出産費用が援助されるプログラムです。 1997年、初めて「ムリガ」プログラムがギニア中部のダボラ市にてスタートしました。この地域は、妊産婦死亡率が高いところとして報告されていていましたが、このプロジェクトは成功を収め、ギニア政府は、ユニセフに支援を必要とするその他の地域への支援拡大を要請したのです。 救急バイクの誕生ユニセフの広報官がキシドーグーを視察に訪れた際、村の妊産婦が合併症を発症した場合に、適切なケアを受けることができる大きな病院への搬送が困難であることを目の当たりにしました。サッカー好きだったこの広報官は、サッカーでは、怪我をした選手はフィールドからオートバイで運ばれることからヒントを得て、救急バイクのアイディアを思いつきました。 現在、「ムリガ」に登録している人々は、いつでも救急バイクを利用することができます。 「ユニセフにはとても感謝しています。娘を病院に連れてきてくれた救急バイクの運転手さんや、娘の治療にあたった全ての医師にも感謝しています。」トウンカラさんの母親は、病院のトウンカラさんのベッドの隣に座ってこのように話してくれました。 ユニセフ・ギニア事務所は、今後も同様な活動の成果をあげるべく、救急バイクを必要とする全ての地域への支援活動拡大に向けて活動しています。 |