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イェニンカちゃん(5歳)は、ギニアの首都コナクリ郊外の貧しい漁師町で生まれました。イェニンカちゃんは、2〜3ヵ月前までは健康な女の子でした。漁師で父親のソウマーさんは、その時何があったのか覚えています。 「イェニンカは、6時に目覚めました。身体がとても熱くて、シャワーを浴びせようとしましたが、イェニンカは、立っていることができませんでした。立たせても、立たせても、へたり込んでしまったのです」とソウマーさんは話します。 そして今、イェニンカちゃんの身体は、ほぼ完全に麻痺してしまいました。足も腕も自分の意思で動かすことができません。ほとんど話すこともできません。イェニンカちゃんは、ギニアで根絶されたと思われていた感染性の強いウィルス性疾患であるポリオと診断されました。 軽んじられた定期的予防接種ユニセフ・ギニア事務所のイブラヒマ・ディアロ子どもの保健事業担当官は、イェニンカちゃんは、保健教育や予防接種がこの国で普及していない現状の代償を払うことになってしまったと話します。 「彼女はお母さんを亡くしています。お父さんも頻繁に漁に出かけているので、イェニンカちゃんの予防接種がおざなりになってしまったんだと思います。」「また、イェニンカちゃんはとても貧しい地域で暮らしています。保健所にも容易に通うことができないのです。」(ディアロ担当官) イェニンカちゃんは、決して特別なケースではありません。2008年末から、西アフリカのナイジェリアから、アフリカ西部・中央部の近隣諸国にポリオの流行が拡大しているのです。2004年から2008年までポリオの症例が報告さなかったギニアでも、2009年は42件が確認されました。 こうしたポリオ感染の再流行は、予防接種サービスの普及が進んでいない現状を反映しています。ギニアでここ数年間続いている政情不安は、子どもたちの健康に重大な影響を与えています。 「保健・医療施策に、十分な予算が割かれていません。」 ギニア政府で予防接種事業を統括するカミレ・ソウマー医師はこう話します。「結果として、ギニア政府は、農村部を含む全ての子どもたちを守るための予防接種キャンペーンを行うことができなかったのです。」 ラジオを通じた予防接種の普及
しかし、こうした新たなポリオの症例はギニア保健省を動かし、ユニセフ、WHOなどの支援を受けて全国一斉の予防接種キャンペーンが実施されることになりました。全ての5歳未満の子どもたちに予防接種を行うため、保健スタッフが、ギニア中の家庭を一軒一軒訪問する予定です。 そしてこのキャンペーンは、西アフリカ地域での大規模なキャンペーンの一環として実施されます。19ヵ国で同時に行われるこの3日間の予防接種キャンペーンを通じて、8,500万人の子どもたちに予防接種を実施。2010年末までにポリオの流行を食い止めることを目的にしています。 ユニセフ・ギニア事務所は、農村地域の人々にこのポリオの予防接種キャンペーンを知っていただくため、地元のラジオ局を通じて啓発活動を実施しています。ギニア東部のダボラでは、毎日地元のラジオ番組が保健をテーマにした番組を放送。ワクチンを持って訪問してくる保健スタッフを家で待つように呼びかけています。 一人も残さないために
この番組は、放送局から半径100キロも離れた村々でも聞くことができます。 「予防接種に消極的な人々を説得するには、これが最善の方法です。」 この地域で保健行政を司るセコウ・カメラさんはこう話します。「ラジオを使えば、正しいメッセージを広めたり、人々の認識を高めたりすることが、とても簡単にできるのです。」 5歳未満の子どもたちが全員予防接種を受けた家庭では、家の外壁に予防接種チームによって大きな「V」の印がチョークで付けられることになっています。 「こうやって、全ての子どもに確実に予防接種を実施すれば、ギニアは再びポリオ根絶を成し遂げることができるはずです。」(ユニセフ・ギニア事務所のジュリアン・アルネ代表)
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