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インド:ポリオ根絶に向けた歴史的前進【2012年3月1日 インド発】
2012年2月25日(土)、インドで、1年以上にわたり、ポリオの感染症例が1例も確認されなかったことを受け、正式に、WHO(世界保健機関)のポリオ感染国リストからインドが除外されました。このインドの成功により、野生株ポリオウィルスが流行していると考えられる国は、世界で3ヵ国—アフガニスタン、ナイジェリア、パキスタンのみとなりました。
しかしながら、2011年、インドでのポリオの発症数は、1月13日に、西ベンガル州ハウラーの子どもが発症したわずか1例に留まりました。この後、ポリオの感染は報告されず、さらに、ニューデリー、ムンバイ、パトナで毎月実施された生活排水の高感度環境検査でも、この事実を裏付ける結果が得られました。こうして、初めて、WHOはインドがポリオの感染を食い止めることに成功したという決定に至ったのです。 全ての子どもたちに手を差し延べるために
「WHOが、インドをポリオ感染国リストから除外したことを、大変嬉しく思います。」2日間にわたり、ポリオ根絶について話し合われたポリオ会議で、インドの保健・家族福祉省のグラム・ナビ・アザド大臣はこう話しました。この事実が発表されると、1,000人以上のサミットの出席者たちは、総立ちになり割れんばかりの大きな拍手を送りました。 「この今までに例のないほどの前進は、インドだけでなく地球のあらゆる場所で、ポリオの根絶が実現できるという希望を与えてくれました。」インドのマンモハン・シン首相はこう話しました。この達成は、ユニセフをはじめ、WHO(世界保健機関)、国際ロータリークラブ、アメリカ疾病管理予防センター(CDC)、ビル&メリンダ・ゲイツ基金を含む国際機関やコミュニティと政府との密接なパートナーシップの賜物です。 「最僻地であって、悪天候の中でも、子どもたちに予防接種を施し続けた230万人のボランティアの方々が、真の貢献者です。」「献身的な働きと不断の努力、そして無償の奉仕活動をしてくださったお一人お一人に、感謝申し上げます。」(シン首相) 過去数年間、以前からポリオの感染が報告されているウッタル・プラデーシュ州とビハール州の予防接種率は、99パーセントに達しました。「この予防接種率の高さは、今だかつてありませんでした。世界でも、これほど大規模なものは例がありません。」アザド大臣はこう話しました。また、不断の努力を続けている現場のスタッフやポリオプログラムの恩恵を受けている1億7,400万人の子どもたちの親や保護者の努力にも言及しました。 終わらないポリオ根絶に向けた闘い
「ポリオ根絶の闘いに勝利しましたが、闘いが終わったわけではありません。」「現在、再び目標に向かって、この同じ気持ちを持って、努力し続けることを決意しましょう。2014年までポリオの感染がなければ、ポリオの感染ゼロを宣言することができます。」 アザド大臣は、インド政府は、気を緩めることができないことは'痛感している'と話し、さらに続けました。「(目標の達成に)とても興奮して希望を抱いていますが、同時に、緊張感を持って警戒もしています。今も国内だけでなく、他国からの感染に対する危険性は続いており、非常に留意しています。」 満足できる状況ではないことを強調したアザド大臣は、ポリオが世界で根絶されるまで、このプログラムに全力で取り組む必要があると話しました。 この発表の後、会議の出席者は、ポリオと闘う気運を維持するにはどうしたらいいか協議しました。これは、政府、パートナー、ドナー、現場のスタッフといった重要な役割を果たす人々が、インドのポリオ根絶に向けて活動を新たに、そして強化するための土台となったはずです。 |