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インドネシア・ジャワ島中部地震の被災地
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トロガワツ村の乾季は、半年間にも及ぶことがあり、村人たちの井戸と水源のほとんどが枯渇する状態でした。そのため、ツチックさんも、そのほかの村人たちも、山の裾の谷から自分たちが住むところまで、お金を払って、トラックで水を運んでもらっていたのです。貯水槽の完成まであと少し。
「以前よりたくさん水を貯めることができるようになりました。何より、以前より衛生的ですし、健康に良い水が使えます」とツチックさん。「シャワーや洗濯にも水を使うことができるようになりました。ユニセフの水プログラムがなかったときは、シャワーは2日に一回だけ。食器を洗うのは3日に一度でした。でもこれからはいつでも水が使えます。」
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この貯水槽の設置事業は、2006年5月、インドネシアのジャワ島中部を襲った大地震で被害を受け、復興が進んでいる地域での、水と衛生を改善するためのユニセフ支援活動の一環です。
「ヤヤサン・カリヤ・、マンディリ・インドネシア」というNGO(非政府組織)と協力して、ユニセフは、1,100基以上の雨水貯水槽を、ジョクジャカルタ近くの3つの村に設置しています。
ユニセフはまた、ドイツの支援団体「アルチェ・ノバ」と協働で、低所得世帯の知的障害のある子どもたちのために、特別のトイレを提供する活動もしています。90個のトイレを建設する計画で、そのほとんどは、バントゥルという最も深刻な被害を受けた地域に設置されます。
新しい設備に加えて、ユニセフはジョクジャカルタ周辺地域で住民たちに衛生の重要性についても伝えています。ファリダ・ヌルハニファーさんはトロガワツ村で衛生教育を担当しています。インフラの整備も重要ですが、村人たちにどのようにすれば健康でいられるかを教えることも重要なのだ、と彼女は言います。
「この村の衛生知識はまだまだ低い状況です」とヌルハニファーさんは言います。「村人の中には、まだ道端で排泄している人もいます。研修の中で、私は、屋外での排泄がいかに問題か、あるいは貯水槽に蓋をするにはどうしたら良いかなどを教えるようにしています。昔は、蓋もしないで雨水を貯めていましたから」。
衛生教育といつでも使える水源が確保できたおかげで、村人たちは、山のふもとからの助けをあまり借りずに、自分たちだけの力で健康を保つ方法を見出しています。