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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

インドネシア・ジャワ島中部地震の被災地
ジョクジャカルタ周辺に見るユニセフ支援
——雨水を溜める貯水槽を設置して健康に

【2008年8月18日 インドネシア・ジョクジャカルタ】

ジャワ島の聖なる山——メラピ山は——活火山です。来る雨季、その東の山腹に広がる村々に変化が訪れそうです。

トロガワツ村の男たちが総出で、パイモ家の裏庭で作業をしています。青い円筒型の枠組みにコンクリートを流し込んでいるのです。この不思議な形のものは、雨水を溜める貯水槽。雨季の間に雨水を溜めると、パイモ家の一年分の水源となります。

ユニセフの支援によって、この村のほとんどの世帯にこれと同じ雨水用の貯水槽が設置される予定です。

いつでも水が使える!

この先の村に住むツチックさんも、もうすぐこの新しい貯水槽を使えるようになります。今まで、彼女の家族は、蓋のついていない貯水槽を使っていましたが、水がどうしても汚れてしまい、使えなくなることもたびたびありました。

新しい貯水槽から水を汲む村人
© UNICEF Video
インドネシア・ジョクジャカルタ近くの村にできた新しい貯水槽から水を汲む村人。みんなの力で、村全世帯分の貯水槽を作った。

トロガワツ村の乾季は、半年間にも及ぶことがあり、村人たちの井戸と水源のほとんどが枯渇する状態でした。そのため、ツチックさんも、そのほかの村人たちも、山の裾の谷から自分たちが住むところまで、お金を払って、トラックで水を運んでもらっていたのです。貯水槽の完成まであと少し。

「以前よりたくさん水を貯めることができるようになりました。何より、以前より衛生的ですし、健康に良い水が使えます」とツチックさん。「シャワーや洗濯にも水を使うことができるようになりました。ユニセフの水プログラムがなかったときは、シャワーは2日に一回だけ。食器を洗うのは3日に一度でした。でもこれからはいつでも水が使えます。」

地震の被災地での衛生状況

ユニセフとそのパートナーは、メラピ山山腹の村々に1,100基の貯水槽を設置すると共に、トイレも設置している。このトイレは知的障害者向けのもの。
© UNICEF Video
ユニセフとそのパートナーは、メラピ山山腹の村々に1,100基の貯水槽を設置すると共に、トイレも設置している。このトイレは知的障害者向けのもの。

この貯水槽の設置事業は、2006年5月、インドネシアのジャワ島中部を襲った大地震で被害を受け、復興が進んでいる地域での、水と衛生を改善するためのユニセフ支援活動の一環です。

「ヤヤサン・カリヤ・、マンディリ・インドネシア」というNGO(非政府組織)と協力して、ユニセフは、1,100基以上の雨水貯水槽を、ジョクジャカルタ近くの3つの村に設置しています。

ユニセフはまた、ドイツの支援団体「アルチェ・ノバ」と協働で、低所得世帯の知的障害のある子どもたちのために、特別のトイレを提供する活動もしています。90個のトイレを建設する計画で、そのほとんどは、バントゥルという最も深刻な被害を受けた地域に設置されます。

衛生教育は重要

新しい設備に加えて、ユニセフはジョクジャカルタ周辺地域で住民たちに衛生の重要性についても伝えています。ファリダ・ヌルハニファーさんはトロガワツ村で衛生教育を担当しています。インフラの整備も重要ですが、村人たちにどのようにすれば健康でいられるかを教えることも重要なのだ、と彼女は言います。

「この村の衛生知識はまだまだ低い状況です」とヌルハニファーさんは言います。「村人の中には、まだ道端で排泄している人もいます。研修の中で、私は、屋外での排泄がいかに問題か、あるいは貯水槽に蓋をするにはどうしたら良いかなどを教えるようにしています。昔は、蓋もしないで雨水を貯めていましたから」。

衛生教育といつでも使える水源が確保できたおかげで、村人たちは、山のふもとからの助けをあまり借りずに、自分たちだけの力で健康を保つ方法を見出しています。

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