メニューをスキップ
HOME > 世界の子どもたち > ストーリーを読む
財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたちは今

イラクの学校を守れ! ユニセフの2008年四半期 イラク活動報告

【2008年4月21日 ヨルダン・アンマン発】

バスラと、バグダッドのサドルシティの住民は、ここ数週間の間に、最近のイラク史上でもっとも激しい武力衝突に巻き込まれました。武装勢力に対してイラク治安部隊が動員され、武力衝突と夜間外出禁止令は拡大して住民は自宅にこもらざるを得なくなり、水や食料、医療物資の不足に陥っています。

バスラでは、正常な生活に戻りつつありますが、サドルシティでは武力衝突が続いています。そこでは、子どもたちの生命は非常に困難な状況におかれ、日々、脅かされつつあります。サドルシティの水や医療物資の不足に対応することは、人道上、最優先の事項です。

治安部隊と武装勢力の衝突は、昼夜なく街の多くの箇所を封鎖して、数千人もの人々が影響を受けました。何度か外出禁止令が発令されましたが、路肩に仕掛けられた爆弾は、自宅にいる多くの住民にさえも恐怖なのです。

写真:バスラから南へ40kmにあるアカッド小学校。

© UNICEF/ HQ03-0028/Shehzad Noorani

バスラから南へ40kmにあるアカッド小学校。(2003年撮影)  ユニセフは、武力衝突の中でも、イラクの子どもたちが学校で、基礎的教育を終了して、ライフスキルを身につけられる場所であり、子どもの安寧の場所であり続けるように努力しています。

学校は安寧の場所

教育も恐怖にさらされています。街の小学校、中学校のほとんどは閉鎖されています。20以上の学校は武力衝突で被害を受けたと報告していますし、未確認ですが、何人もの生徒と教師が殺害されているようです。

最優先で学校の保護を求めるユニセフ

現地報告によると、空き家になった学校のいくつかには、自宅を追われた住民が避難しているのです。同時に、武装勢力も利用しているかもしれません。

「学校は、紛争時であっても、子どもたちの安寧の場所なのです。子どもは、平和を堅持する国際法のもとに、保護されています。どんな状況でも、イラクの学校は、イラクの子どもたちの教育と保護のためだけに、適正に使われなければなりません。」 と、ユニセフ・イラク事務所の教育チーフ、メッテ・ノルドストランドは話します。

写真:ユニセフが資金援助した水タンク作戦で、何週間も外出禁止令と武力衝突が続いたバスラの街に水が届けられています。

© UNICEF/ HQ03-0515/Shehzad Noorani

何週間もの間、バスラの住民は水を取りに外出も、学校に通うこともできませんでした。ユニセフが資金援助した水タンク作戦で、何週間も外出禁止令と武力衝突が続いたバスラの街に水が届けられています。(2003年撮影)

水と物資の配給

人道団体とともに、ユニセフは、武力衝突が始まって以来、ずっと、バスラとサドルシティの子どもたちを支援し続けています。ユニセフが支援する、バスラでのタンクによる水配給作戦は、外出禁止令が続いているにも関わらず、住民にいきわたりました。そして、多くの住民が初めて見る新鮮な水を提供できました。

ユニセフは、バスラの病院に、1万2千人分の医療物資も届けました。数日前からはようやく学校支援も再開しました。

サドルシティでは、ユニセフの水タンク作戦が、街の外れで困窮した生活を送る住民に、210万リットルもの水を供給しました。それは、街の病院にも届きました。1万2千もの家族が水浄化タブレットを受け取り、家庭で利用する水をきれいにしています。タブレットを必要とする、4200以上もの家族用の備えが、地域の保健事務所に配給されました。

写真:外出禁止令のなかでも、ユニセフのタンカーによる水配給は続いています。

© UNICEF/2008/Rubaye

外出禁止令のなかでも、ユニセフのタンカーによる水配給は続いています。

「わたしたちは、現在持てるほとんどの手段を駆使して、治安上の問題はあっても、住民に少しでも安らぎをもたらすことができるように努力しています。
それでも、子どもたちへの精神的影響は、癒すに余りある辛いものでしょう。絶対に、子どもたちが武力衝突の終結を見て、安心して学校にもどれるようにしてあげなければなりません。」と、ユニセフの緊急支援専門官のルチアーノ・カレスティーニは語気を強めます。

人道危機緊急募金についての詳細はこちらから>>

トップページへコーナートップへ戻る先頭に戻る