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イラク・モスルでの武力衝突
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© IOM Iraq/2014 |
モスルから避難する人々(2014年6月9日撮影) |
今月5日にイラク第2の都市モスルで勃発した武力衝突の結果、現地当局発表で50万人にものぼる人々(半数は子ども)が国内避難民となり、状況はさらに悪化を続けています。
「今、多くの子どもたちが、非常に危機的な状況に直面しています。突然発生した今回の武力衝突は、子どもたちから、文字通り僅か一晩で、日常を奪ったのです」 ユニセフ・イラク事務所のマルツィオ・バビル代表は、こう語ります。
子どもたちは、モスル郊外の学校や病院、モスクに避難。多くの場所が、水も、トイレも、さらに照りつける日差しや熱波を遮るものも満足にない状態です。ユニセフに寄せられた情報では、モスル市内に5つある病院も機能していません。商店も市場も閉じられたままです。
「非常に深刻な状況。悪化し続けています」「水やテント、食糧を子どもたちに届けなければなりません。一刻の猶予も許されません」(バビル代表)
ユニセフは現在、他の人道支援団体などと協力して、家を追われた子どもたちのみならず、モスル市内に取り残された子どもたちへの支援を急いでいます。飲料水やトイレ、また、今年イラク国内で多くの感染が確認されているポリオやはしかなどの感染症を防ぐための予防接種をはじめとする緊急支援が求められています。
イラク国内におけるユニセフの人道支援活動は、今回の緊急事態が発生する以前から、資金難に直面。必要資金の僅か16%しか確保できていませんでした。そうした中で起きた今回の緊急事態。日に日に悪化する状況に対応してゆくためにも、国際社会の支援が求められています。
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