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イラク西部・アンバール
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© UNICEF/NYHQ2007-2319/Michael Kamber |
イラク西部・アンバールの学校に通う子どもたち |
ユニセフはイラク西部のアンバール州の教育当局とともに、ファルージャやラマディなどから避難してきている生徒1,500人以上(9年生〜12年生)を対象に、1カ月にわたる補習教室を実施します。避難している生徒の大部分は、3カ月以上も学校に通えておらず、このままでは留年する恐れがあります。授業は本日より開始、補習のほか、夏休み後に行われる予定の学年末試験の準備も行います。学年末試験は、2014年8月まで延期されていました。
IOM(国際移住機関)によると、アンバール州では暴力行為により、今年初めから約8万世帯(50万人近く)が避難、さらにより多くの人が影響を受けているといいます。ファルージャやラマディは治安が悪く、インフラや基本的なサービスを利用するのが厳しい状況が続いています。子どもたちとその家族は食糧を手に入れることも難しい状況です。安全な水や保健サービスをほぼ利用できず、衛生環境は劣悪で、学校に通うこともできません。子どもたちが教育を受けられなければ、子どもたちの成長に長期にわたる影響を及ぼすばかりでなく、アンバール州全体にも影響は及びます。
ユニセフとアンバール州教育当局は、州内の6地区(haldiah, Haditha, Heet, Anah, Rawah, Al-Qaim)の学校や教育施設14カ所で補修教室を行います。ユニセフ・イラク事務所代表のマルツィオ・バビルは「ユニセフは、全力でイラク政府と地方行政府を支援し、アンバール州で支援を必要としている人たちを支援します。また、子どもたちの福祉と成長への、暴力の影響を最小限にとどめます」と述べました。
©UNICEF/UKLA2014-04827/Karin Schermbrucker |
イラクの避難民キャンプにある学校で授業を受ける少女 |
アンバール州教育当局は、夏休み期間中も教室や教科書を使えるようにし、教員が登校するようにします。ユニセフはこの取り組みを財政的に支援するほか、教材や学習用品を提供、夏休み期間中に任意で職務にあたる教員156名への報酬を負担し、教員向けの研修も行います。
補習教室の準備にあたり、ユニセフは避難している生徒たちを受け入れている55の学校の教員や校長、計100名に研修を実施。さらに、6月中に別の学校の教員60名にも研修を行います。5月末に実施された教員向け研修は、ユニセフの緊急事態下での教育プログラムに沿って行われました。研修には、自宅を離れた生徒が特別に必要とすることへの対応や、子どもにやさしい学校環境の作り方などが盛り込まれました。
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