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イラク北部:
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© UNICEF/NYHQ2014-0827/Khuzaie |
イラク北部の町アルビルにあるユニセフの倉庫で支援物資のレクレーションキットをトラックに積むスタッフ |
「家を失い、恐怖におびえ、何も持っていない」−ユニセフは、2週間前にイラクで起きた暴力で避難している子どもたちの多くが直面している現実をこう述べました。
ユニセフ・イラク事務所代表のマルツィオ・バビルは、モスク北部から数キロにあるテルキーフ(Tel Keif)を訪問したのち、「お会いした避難している家族はみな、不安や先への見通しが立たない状況を、口をそろえて話していました。子どもたちは、目に見えて恐怖を感じています。イラクの最も暗たんたる数年を生き抜いた方々も、二度と味わいたくないと思っていた悪夢を再び体験しています。多くの人が、戦闘に加え、拉致が行われている、すぐに処刑されるといった話を聞き、避難したと話していました」と述べました。
子どもの精神的への影響に加え、ユニセフは、暑く数カ月にわたる夏を迎えるにあたり、感染症の発生のリスクが高まることも懸念しています。
この2週間で、ユニセフは飲料水10万リットル、食糧5,000包、衛生用品の詰め合わせ3,500セットを提供し、5万人以上の子どもたちを支援してきました。緊急で実施した4日間の予防接種キャンペーンも完了し、ポリオとはしかの予防接種を約6,000人の子どもに行いました。
人道支援が拡大にするにつれ、ユニセフは、治安が不安定で人道機関が立ち入れない地域にいる子どもたちの状況を深く憂慮しています。
また、子どもが戦闘に引き込まれているとの警戒すべき報告もあります。子どもの安全と幸福を全く無視した行為であり、国際人道法に反するものです。ユニセフは、紛争に関わるすべての勢力に対し、子どもを守る義務を果たすことを繰り返し求めます。
2014年6月26日ユニセフ・イラク事務所代表が下記の声明を発表しています。
「イラク北部で最近起きている大規模な市民の避難について、ユニセフは警鐘を鳴らしてきました。25日には、ニナワ州のハムダニヤ(Hamdaniya)から、多くの子どもを含む約1,500人が、アルビルに到着しました。さらに多くの方が、避難中であるとの報告もあります。避難してきた方たちの多くは、長距離を歩き、中には最近の暴力でけがを負っている人もいます」
「ユニセフのチームは、25日水曜日の夜、避難場所数カ所で調査を実施し、本日26日から、子どもや女性、その家族に支援物資や水、衛生キットの提供を開始しました」
「イラク国内では、他の地域でも戦闘が続いており、ユニセフは紛争に関わるすべての勢力に対し、子どもとすべての市民の保護を改めて求めます」
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