イラク:
紛争地からの避難、大規模な移動続く
国民の二人にひとりが紛争地域に
【2014年7月24日 バグダッド発】
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©UNICEF Iraq/2014/Wathiq Khuzaie |
エルビル州のトランジットセンターにある水の供給所で水を汲む女性。 |
不安定な情勢が続き、避難や移動をする人が増え続けるイラク。ユニセフ情勢レポート(報告期間:2014年7月13日〜2014年7月19日)から、最新の状況とユニセフの支援活動についてお伝えします。
数字で見る概況
紛争地域の人口合計 1,700万人 (イラク総人口3,170万人の53.7%)
(アンバール州、ニナワ州、サラ−ハッディーン州、ディヤーラ州、キルクーク州、バグダッド州、バービル州)
支援を必要とする人 150万人
避難生活を送る人 120万人
ユニセフ目標支援人数
保健・栄養 36万人、水と衛生 48万人、教育21万5,000人、子どもの保護 50万人
ユニセフ必要支援額 3,600万米ドル(約36億3,600万円 ※1米ドル=101円で換算)
※2014年6月20日時点での推計及び戦略対応計画(UNOCHA発表)に基づく
活動のハイライト
- ユニセフは、即応メカニズムによって、東部のディヤーラ州カナキン(Khanaqin)への人道支援ルートを確保し、3カ所の避難民1万6,000人以上に物資支援
- 避難民が置かれている状況は極めて厳しく、カナキンに避難している4万人への支援を拡大中
- ユニセフは、南部のナジャフ州と貯水タンクや支援物資の費用共同負担を開始、ナジャフ州は、貯水タンクの費用を負担の上、設置、これにより避難民1万人への給水が可能になるとみられる
- 北部のニナワ州では、ユニセフは政府や海外からのパートナー団体と共に、ハマダニヤ(Al-Hamadaniyah)とティルカイフ(Tilkaif)の避難民へトラックによる水の運搬を実施、避難民2万人に向けて毎日39万リットル以上を運搬、(トラック運搬ではない)持続的な給水方法を開発中
- 下痢にかかる人が増えており、ユニセフは、ニナワ州、ディヤーラ州、ナジャフ州に、経口補水塩(ORS)6万1,000袋を提供(1万166名の3日分の使用量に値する)
- 子どもの保護作業グループは、子どもの保護のニーズ調査やトレーニングに使用するツールを最終化、調査は来週実施され、紛争下にある地域の子どもたちのニーズ把握に活用される
情勢
紛争下の地域の多くでは治安が安定せず、生活環境が厳しいことから、避難と大規模な人の移動が継続中
<北部>
- ISIS支配地域下の少数グループを狙った攻撃に対し、国連事務総長が非難声明を発表
- ISIS支配地域からの少数グループの避難が継続中
- ユニセフは、支援を届けるのが困難な地域への支援を最優先に対応継続中
- ユニセフは、ディヤーラ州のカナキンへの人道アクセスを確保
- 避難所3カ所での調査の結果、避難民が必要としているのは、水とトイレ、食糧、医療、衛生
- 調査同日に支援物資を配布したものの、さらに多くが必要とされている
<中南部>
- ディヤーラ州以外にも、アンバール州の特にラマディ(Ramadi)とファルージャで厳しい状況が続く
- アンバールでISISが支配している地域(Al-Qaim, Ana, Rawa, Rutba )での活動は一時中止に
- 南部の各州は、サラーハッディーン、ニナワ、ディヤーラ、アンバール各州からの多くの避難民の目的地に
- ナジャフ州では、ニナワやサラーハッディーン、キルクーク、アンバールの各州から避難した世帯はおよそ1万、現在、ナジャフ州には、6,000世帯(3万人)が避難してきており、ケルバラ(Kerbara)とナジャフ間に身を寄せている、ケルバラにはISIS支配地域から1万4,000人が避難してきたとみられる
- 南部への避難民の流入は続くと見られ、必要な支援物資は増える見込み
■参考資料:各地への避難状況とユニセフによる水と衛生支援実施個所(★マーク)
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