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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

保護を要する子どもを支援
<ラオス>

<2006年10月3日 信濃毎日新聞掲載分>

© 日本ユニセフ協会
プアン ミットセンターで勉強する子どもたち

とてもおしゃべりの13歳の少年 セン(仮名)は、ラオス人民民主共和国の首都ビエンチャン近郊の村で両親、弟2人と妹1人で生活していました。

時折、父親は母親に暴力をふるい、母親は隣国タイへ働きに出てしまいました。母親が再び家に帰ってきた時には既に病気に侵されており、間もなく亡くなり、父親も母親を追うように亡くなりました。

両親を失ったセンは、村の事務所で面倒を見てもらうようになるまでの数日間をひとりで過ごさなくてはなりませんでした。弟の1人は、近所のおばさん宅で面倒を見てもらっていましたが、センはどうしてもこのおばさんを好きになれず、一緒に暮らしたいとは思いませんでした。もう1人の弟は僧になり、妹は兄を残してタイに働きに出ました。

センのこのような生活は数ヵ月にも及びました。村長がある日、ユニセフの支援を受けて活動しているプアン・ミット(親しい友だち)のスタッフにセンの現状を話す機会がありました。すぐに、セン自身がそのスタッフと直接話し、ビエンチャンにあるセンターに行ってみることに決めました。

両親を亡くしてからも、しばしば家族の夢を見ては、もう一度両親に会いたいと思ったり、心配で心細い日々を過ごしていたセンも、センターに来てからは随分と気持ちの整理がついたようです。

プアン・ミットとは、ユニセフの支援を受けて、特にストリートチルドレンを対象に保護し、基本的なサービス(例えば、健康・衛生管理、生活技能、識字教育)をラオス国内でしている最初で唯一の組織です。

プアン・ミットは、子どもたちの保護だけでなく、最終的には一人前に生きていけるように手助けする活動をしています例えば、街に出て、保護を必要としている子どもたちを捜索し、貧しい家族の子どもたちのためには収入源となる技術習得支援を行い、ストリートチルドレンの家族にも同様の働きかけをしています。

センターは24時間対応し、1日約40人程の子どもたちが訪れます。2005年には、保護を必要とする229人の子どものうち、32人が自宅に戻ることができ、学校にも通えるようになりました。ただ家に帰すことだけを目的とせず、監督し続ける役割も担っています。

ユニセフは、たえずラオス政府と対話し、国の発展に伴い子どもたちが直面している危機は増大していることを訴え続けています。

 

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