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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

ラオス:妊産婦と新生児破傷風根絶に向けたキャンペーン

【2011年2月14日 ラオス発】

© UNICEF video
妊産婦と新生児の破傷風を根絶するための全国キャンペーン中、ラオスの農村部ボルイクハムシャイで、破傷風の予防接種を受ける女性。

ラオスのボルイクハムシャイでは、村の周辺の女性と子どもを対象とした大規模な予防接種キャンペーンの実施に向けて、保健員たちが、朝から最終確認をしていました。ラオスの山岳地域に位置するボルイクハムシャイは、2012年までに妊産婦と新生児の破傷風を根絶することを目標とした全国予防接種キャンペーンの一環として、つい先日、3回目の予防接種が実施された地域のひとつです。

破傷風は、病状が急速に深刻化する痛みを伴う感染症で、世界中で、毎年何万人もの赤ちゃんの命を奪っています。ラオスは、アジアの中で、いまだにこの感染症の影響を受けている数少ない国のひとつ。非衛生的な環境下での出産や、へその緒の不適切な処理によって感染することが一般に知られています。

2009年12月にスタートしたこの2年間にわたるキャンペーンは、15歳から45歳までの女性と子どもたちを対象にした3回の予防接種の他、生後6ヵ月から5歳11ヵ月の子どもたちには、ビタミンA補給剤と寄生虫駆除薬が配布されています。

多くの人々の参加が不可欠
© UNICEF video
2年間にわたる破傷風撲滅キャンペーンを通じて、ビタミンA補給剤と寄生虫駆除剤を投与される子ども。ラオスは、いまだに破傷風の影響を受けている数少ないアジアの国のひとつ。

このキャンペーンは、まずは、妊産婦と新生児の破傷風感染者数を、拡大感染の心配がないレベルまで削減することを目的に展開されています。

このためには、一人でも多くの人々をこのキャンペーンに参加させることが必要です。保健スタッフの努力によって、ラオスの農村部の中心地区であるこの地域に住む人々は、破傷風から身を守ることの重要性を理解しています。

「この地域の人々の予防接種に対する認識を高めるために、積極的に活動しています。」「地域の自治体と村の自治組織の協力が不可欠です。彼らの協力があって、コミュニティに予防接種の有益性を知らせることができるのです。」現地保健局長のソムフォン・ラッサヴォン医師はこのように話しました。

重要な役割を担うユニセフ

最も近い病院へ行くにも数日かかる地域もあるラオスで、最も厳しい状況の人々にも手を差し伸べるため、村から村へ移動して予防接種を提供する移動診療所が重要な役割を果たしています。

「これまで、破傷風に感染してしまった多くの子どもたちを目にしてきました。この病気を防ぐワクチンを手に入れる方法がありませんでしたから。」「でも、このキャンペーンが村で実施されるようになってからは、人々の健康に変化が現れてはじめています。」 村に暮らすナム・バン・カイさんは、ユニセフのスタッフにこう語りました。

世界保健機関(WHO)などとともに、ユニセフは、このキャンペーンで重要な役割を果たしています。

「妊産婦と新生児の破傷風の根絶に向けた支援は、ユニセフの世界的な活動の目的の一つです。」「支援者の皆様、パートナー団体、そして現地政府当局からの力強い支援と支持を背景にしたこのキャンペーンによって、ラオス全土に破傷風の感染予防活動が広まり、破傷風の根絶が達成されることを願っています。」 ユニセフ・ラオス事務所のアタール・ラフマン予防接種事業担当官は、こう語りました。

一歩前進

キャンペーンが順調に実施されている一方、破傷風の予防接種率が低い地域では、さらなるキャンペーンの必要性も検討されています。

ボルイクハムシャイでは、村から村に保健スタッフが回り、このキャンペーンの成功を支えています。こうした保健スタッフの地道な活動が、2012年までに妊産婦と新生児の破傷風を事実上根絶するという目標の達成を近づけているのです。

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