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ラオス:
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© UNICEF/2014 |
デジタル管理システムの説明を受ける、ダニエル・トゥール ユニセフ東アジア・太平洋諸国地域事務所代表。 |
世界で日々進められている技術革新。インターネットやSMSといった技術は、世界中の支援現場でも、子どもたちの命を守るために活用されています。ユニセフ東アジア・太平洋諸国地域事務所のダニエル・トゥール代表による報告です。
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先週、都市周辺部の診療所、地域の病院、州や国の医療貯蔵庫など、ラオスの素晴らしい保健施設を訪問しました。私がそこで目にしたのは、ユニセフの支援がどのように子どもたちに届き、効果を出しているのかをデジタルで追跡することが可能になる、新しく開発された胸が躍るようなシステムです。GAVIアライアンスの資金提供を受け、ユニセフ、PATH、オスロ大学、ワシントン大学、ラオスの保健省が協力して開発したこのデジタル管理システムは、ワクチンを適切に保管し、必要としている子どもたちのために確実にワクチンを提供するための情報を、リアルタイムに把握することができます。
デジタル管理システムは、ワクチンを保冷した状態で運ぶ、「コールドチェーン」と呼ばれる物流をモニタリングし、予防接種が実施される地点に到着するまでの輸送状況を管理します。各現場で物流に関わるスタッフが状況を簡単に報告することができ、それを、国や州、地域を管轄するマネージャーがアクセスすることができます。実用的なデータを集めることを目指して開発されたこのシステムを利用することで、発生した問題への確実で適切な対応もつながります。
コールドチェーンの運用状況やワクチンの備蓄数などの情報を管理、報告、蓄積するため、このデジタル管理システムでは、ウェブ上での情報管理システム、コールドチェーン管理デバイス(写真)、SMSを使った報告・応対システムを採用しています。それらの情報は、各予防接種実施場所で照会することができます。
© UNICEF/2014 |
ワクチンを適切に保管するための、コールドチェーン管理デバイス。 |
2014年中には、国内すべての州立ワクチン貯蔵施設と、各州内のそれぞれ1地区でこのシステムを運用する予定です。先立って試験的に運用が開始される3つの州では、州内全地区の保健施設がシステム上に登録されます。このシステムは2014年3月から運用が開始され、1カ月の試用期間の後、評価が行われます。そして、2015年には、残りすべての地区と保健センターでの運用が計画されています。
嬉しそうに新システムについて語るスタッフから、彼らの興奮が伝わってきました。この新しい技術は、未来への見通しを明るくするものです。このシステムにより、各現場で働くスタッフや支援機関の役割、責任、説明責任がより明確になります。また、保健省が現場の最新の状況を把握し、適切な対応を行うことも可能になります。
このデジタル管理システムは、予防接種の支援活動や、コールドチェーンの運用状況、物資の管理にまず活用されます。それらが成功したら、他の子どもの命を守る支援や、ワクチン以外の保健物資の管理などにも活用の幅を広げる予定です。
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