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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

大勢が兵士に 社会復帰支援を
<リベリア>


   アフリカの西部に位置するリベリア。この国では7年もの間、内戦が続きました。被害をうけたのは立場の弱い子どもたち。市民として紛争に巻き込まれるだけでなく、約6600人の子どもたちが少年兵として戦場に送り込まれました。中には6歳の子どももいたと言われます。子どもが扱える小さく軽い銃が広く普及したことがその大きな原因です。また、脅かしやすく、命令通りに働き、給料を要求しない子どもたちは軍隊にとって扱いやすい存在だったのです。15歳のジュニア・シャグベーもそうした元少年兵の一人。9歳の時、愛国戦線の兵士に目の前で父親を殺され、その後無理やり連れ去られました。2カ月後、監視の目を盗んで部隊を抜け出しましたが、母親は子どもを心配するあまり病死。彼は敵対する勢力の兵士となったのです。

 1996年に内戦が終結。しかし、戦場から子どもたちが通常の社会に復帰することは、簡単なことではありません。家族や社会から受けるべき愛情や教育なしに育ち、心に大きな傷を受けた子どもたち。暴力に慣れた彼らは、脅かされたり、退屈しただけで暴力に走る危険性があるのです。

 子どもたちの社会復帰にまず必要なものは温かい支援や保護。そして将来のための教育です。ユニセフは子どもの心をいやす心理カウンセラーの研修を実施するとともに、「子ども支援プログラム」というNGOの活動を支援しています。センターでは、文字や算数などが学べるほか、家具作りや自動車修理などの職業訓練のコースを受けることもできます。特徴的なのが毎日1時間ほどの心理療法の時間。みんなの前で戦場で経験したことを話したり、絵を描いたり、子どもたちが内面を表現することを通じて心の傷をいやすことを支援しています。センターへ来た当初、戦場の経験を話さなかったジュニア・シャグベーはこう言います。「戦争は家族みんなを殺してしまう。兵士になるのはもうたくさんだ」

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