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公益財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち/ストーリーを読む

マリ:バック・トゥ・スクール(学校へ戻ろう)キャンペーン
10月の新学年に向けて準備中

【2013年9月3日 バマコ/ダカール発】

© UNICEF Mali / 2013 / Dicko
北部トンブクトゥのある小学校での様子。生徒数750人に対し、学校にある机はわずか50。
「バック・トゥ・スクール・キャンペーン」の第一段階として、ユニセフは、学用品やバッグなどを提供。また、地元でいすを製作し、地元経済にも貢献します。

10月1日の新学年スタートにあたり、ユニセフは紛争と雨季による洪水、栄養危機の影響を受けた50万人の子どもたちに「学校」という場を提供できるよう、支援活動を拡大しています。

◆学校に通うことで、取りもどす「日常の光景」

マリ政府主導のもと、ユニセフとパートナーは、子どもたちが学校に通えるようにし、改善された教育を受けられるように保護者と教師を動員しています。

2013〜2014年の学校年度を通じて、マリ全土で約9,000人の教員が研修を受ける予定です。さらに、紛争などによって被害を受けた学校に修繕を施し、修復作業の間は、仮設の学習スペースを設置。1万5,000の新たな学習机も提供します。

ユニセフ・マリ事務所 のフランソワ-ズ・アッカーマン代表は、次のように述べました。「これから迎える新学年は、紛争中だった昨年とは違うものでなければいけません。子どもたちが学校に戻れるように、我々は全力を尽くします。大統領選挙から1ヶ月もたたない重要な時期である現在、マリの人々は、国家をどのように再建するか、以前の日常生活に戻れるかどうかに関心を寄せています。そして、教育が国家再建の土台となることを理解しています。朝、学校に子どもたちが歩いて通っている姿ほど、日常生活に戻れたと感じられる光景はないと思いませんか」

◆学校に通えなくなった80万人の子どもたち

マリの教育省は、国内にいる80万人の子どもたちが紛争や食料危機、栄養危機、洪水によって、学校に通えなくなったと推定しています。紛争が起きた北部は、もともと教育システムが脆弱で、北部から避難してきた子どもたちは、さらに教育を受けにくい環境におかれています。

2013年、ユニセフはマリ、 、ブルキナファソ、ニジェールにいるマリの子どもたちの緊急の支援のために、2,100万米ドル(約21億円※)の資金を必要としています。しかし、2013年7月時点で、必要支援額のわずか38%の資金しか調達されていません。マリでは、緊急の教育支援のため1,200万米ドル(約12億円※)を必要としていますが、調達されたのは、わずか27%となっています。
※1米ドル=100円で換算

© UNICEF Mali / 2013 / Dicko
自然災害と紛争が起きた国では、「学校に戻ること」はふだんの生活や安心できる環境に戻ることであり、未来への可能性とつながるものになります。

紛争が起きた地域で、教育を提供し続けるためには、緊急に追加の支援が必要です。資金が不足した状態では、子どもたちが学校に戻り、通い続けることはできなくなります。

アッカーマン代表が訪問した北部ガオの学校では、1つの教室に168人もの生徒が床に座っていました。「北部では、多くの学校で略奪が行われ、子どもたちは床に座って授業を受けているのが現状です。トンブクトゥとガオでは、半数以上の学校が、ノートや机などを含む、学用品や備品、レクレーションのためのものを必要としています」と、アッカーマン代表は、学校の様子を述べました。

トンブクトゥから来たアミナタちゃん(12)は、「去年の新学年の初日は、とても幸せでした。しかし、いま、私たちには何もありません。紛争の恐怖はなくなりましたが、心配なことばかりです。以前は、授業を受け、学校にはたくさんの友達がいました。ユニセフからノートをもらいましたが、それだけでは学校生活は送れません。ユニセフの人たちに、私たちといっしょに学校にいてほしいです」

◆周辺国へ逃れ難民となった子どもたちにも教育を

モーリタニアやブルキナファソ、ニジェールのマリ難民キャンプでも、ユニセフは、各国政府やパートナーとともに、2,973人のマリの子どもたちが、公式またはノンフォーマルいずれかの教育を受けられるように活動 しています。モーリタニアでは、7,166人のマリ難民の子どもたちがいずれかの教育を受け、そのうち約70パーセントが2012年度の学年末試験に合格しました。

夏の間、学齢期にある約4,900人の子どもたちが、補習授業をうけたとみられます。ユニセフは、マリ、ニジェール、ブルキナファソ、モーリタニアの教育省とともに、難民の子どもたちが学校に通え、マリに帰還した際に、避難先での就学状況が認められたうえで、マリで再び学べるよう、調整しています。

「バック・トゥ・スクール(学校へ戻ろう)キャンペーン」は、すべての子どもたちが学校に通えるようになるための、最初の一歩です。今回のキャンペーンは、紛争の影響を直接受けた子どもたちを対象としていますが、一方で、マリには学校に通えない子どもたちが120万人以上もいるという事実を忘れてはいけません。

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