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公益財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち/ストーリーを読む

マリ:激化する武力紛争下でのユニセフの支援活動

【2013年1月30日 マリ発】

© UNICEF/NYHQ2012-0059/Therrien
マリとニジェールの国境から100キロ離れたニジェールの村に避難したマリの人たち。わずかな持ち合わせのもので作ったこの一角で生活をしています(2012年2月撮影)

マリでは、北部での紛争と政情不安により、全域で、食料不足と栄養危機が急速に広がっています。また、マリからの難民を受け入れている隣国ニジェール、モーリタリア、ブルキナファソも大きな影響を受けている状況です。

この戦闘により避難を余儀なくされた国内避難民の数は、少なくとも約22万8000人。国外へ避難し、難民となった人の数は、15万2000人以上。そのうち、約8,000人は、紛争が激化した1月11日から22日までの間に避難したものと見られています。

こうした避難民の大量流入により、避難民を受け入れている地域では、劣悪な衛生環境や不衛生な水源の利用が増加しています。また、推定56万461人の学齢期の子どもたちがこの紛争の影響を受けているものと見られています。

治安情勢の悪化から、影響を受けている地域への立入りが厳しく、また、現地のパートナーも一時的に活動を休止せざるを得ない中、ユニセフは、状況把握とニーズ調査実施に向け、準備を整えています。

立入りが厳しい地域には、緊急事態に備えてシェルターや浄水剤、衛生用品などが用意されています。また、隣国のニジェールからも、浄水剤などの支援物資が調達できるよう、既に連携されており、保健、栄養、水と衛生、子どもの保護、教育の分野で迅速に支援を拡大していきます。

また、パートナーと協働で、立入可能なモプティ、セグー、ガオ地域に追加の支援物資を提供しています。

モプティとセグーでは、紛争の影響で、親や家族と離れ離れになった子どもたちを見つけ、保護する取り組みが始まっています。子どもたちの身元を確認、登録した上で、家族と再会できるようにします。

紛争が起きている北部に関する情報は限られ、人道支援団体による支援活動は、安全上の理由から活動が制限されている地域があります。

北部のガオでは、浄水設備に燃料を供給している設備が破壊され、給水できない状態となっており、安全ではない手掘りの浅井戸などの水を使用せざるを得ない状況です。さらに、治安への不安から、多くの商店が閉まり、1月中旬から、日用品や食料、燃料などの価格が高騰しています。

こうした中で、初期の情報によると、武力勢力により、占領されたり、破壊されたりしている学校があることが報告されています。1月10日時点では、ガオ、キダル、ティムブクトゥ、モプティ北部の594校の学校に、9万2118名の子どもが通っていました。しかし、現在、こうした地域の全ての学校が閉校しています。

激しい戦闘が起きた中部のコンナでは、17歳の子ども2人が不発弾により負傷。現在、モプティの病院で治療を受けています。さらに多くの子どもが、不発弾の被害を受けているものと見られていますが、今のところ公式な数字は明らかになっていません。

パートナー団体の報告によると、支援物資が限られている中でマリの避難民を受け入れている地域はさらに厳しい状況にさらされ、いっそうの支援が切実に求められています。また、隣国モーリタニアでは、約4万2000人が暮らす町に、5万4,000人が避難をしており、避難民の数が住民の数を上回っているところも少なくありません。

今後数週間、武力紛争は激しさを増し、さらに避難民の数が増加するものと懸念されています。こうした避難民と、避難を余儀なくされた人々を受け入れている人々のために、更なる支援が緊急に求められています。

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