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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

遊牧生活でも教育機会を
<モーリタニア>


モーリタニアに暮らす遊牧民の朝は夜明け前から始まる。早朝4時ごろ起床し、砂の大地に小さな敷物を広げ、メッカの方向に平伏し祈りをささげる。モーリタニアはアフリカ北西部に位置し西は大西洋に面し、北部にはサハラ砂漠、南部にはサバンナの草原が広がる。人口の20%が黒人系、残り80%はアラブ・ベルベル系の民族が占めるイスラム教国家である。

ファティマトゥは、8歳の女の子、9人の大家族とともにサハラ砂漠南部で遊牧生活をしている。ファティマトゥの主な仕事は、ヤギの放牧である。砂漠の中のわずかな緑を求めて日中何時間もさまよい歩く。また、一日に数回井戸まで歩き、生活に必要な水をくみに出かける。深い井戸から水をくみ上げる作業は、小さなファティマトゥには重労働である。さらに、彼女は兄弟たちと一緒に薪拾いにも出かける。

1968年から73年に起こった西部サヘルの大干ばつ以降、モーリタニアは急速な砂漠化に悩まされ、かつては青々と茂っていたナツメヤシも今ではそのほとんどが砂の海に沈んでしまった。人間と家畜が限られた植物からどうにか食糧を得ている状況で、火をおこすための薪を手に入れるのは極めて難しい。

遊牧民の子どもたちの多くは、ファティマトゥのように朝から晩まで家の仕事を手伝うため、小学校に通うことができない。イスラム国家モーリタニアでは、普通小学校に通うことができない子どもはコーラン学校へ通うケースが多い。コーラン学校では、幼い子どもは年長の姉に連れられ、コーランを読みながらアラビア語の読み書きを習得する。しかし、コーラン学校だけでは十分な教育は受けられず、成人の識字率を見ても、男性50%、女性26%と低い。

ユニセフでは、モーリタニアの子どもの労働が少しでも軽減され、より多くの子どもたちが教育を受けられるようにと、次のような活動を展開している。(1)少ない薪で火をおこせるかまどを提供(2)コーラン学校で算数や保健、栄養の勉強をすすめる支援(3)女の子が中学校へ通えるよう、文具を提供(4)家庭の収入を増やすための「ニッサ・バンク」プロジェクトを支援。同バンクは、ユニセフから女性グループが融資(1回4−5万円)を受けて、せっけん作りなどの活動をして副収入を得、半年以内に融資を返済し、返済金は次の女性グループが融資を受けるための財源とするもので、近年参加を希望する女性が増えている。

子どもの権利条約が国連で採択されてから今年11月20日で10年を迎える。第28条では、すべての子どもが初等教育を受ける権利があるとうたっている。ユニセフは、子どもの労働が軽減され教育の機会が増え、ファティマトゥのような子どもに笑顔があふれることを目指している。

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