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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

<2003年3月4日 信濃毎日新聞掲載>

ミャンマーの教育事情
<ミャンマー>


バロアットニュン小学校の授業風景 ミャンマーの首都、ヤンゴン。金色に光るパゴダ(仏塔)がまぶしい人口約250万人の都市である。そのヤンゴンの中心部から川の対岸に位置するチミダン地区。ここはかつてヤンゴン中心部のスラム街にいた人々が移り住んできた地域で、日雇い労働者が人口の90%以上を占めている。

チミダン地区にあるバロアットニュン小学校では、教育省の基準に基づきコンクリート製で複数の教室を持つヤンゴン中心部の小学校とは違い、木造で1つの教室の中で多学年の児童が勉強している。4年前に建てられたばかりの校舎は既に壁のあちらこちらに虫食いが見られるため、校舎の補修が必要である。制服を買うお金がないため、制服を着ていない子どもが多いが、学校に来ることのできる子はまだ恵まれている。

学校建設にかかる費用や教師の給料は基本的に政府が負担するが、年に3ドルほどの教科書やノート、制服は親の負担である。これらの費用が負担できない親は、子どもを学校に通わせることが難しい。いったん入学しても半数以上の子どもが卒業するまでに学校をやめてしまう。

子どもが学校にいけない理由は学校の施設や先生がいるかなどの面だけではなく、貧困など学校外の要因もある。ユニセフは国内でも状況の悪い地域を選び出し、そこに対して総合的な問題の解決に取り組んでいる。学校施設の向上、教材や教科書、鉛筆の提供、教師の研修だけでなく、病気の予防、水やトイレの問題、PTAの研修やコミュニティーの育成など、地域を総合的に開発することでより根本的な原因から解決を図っている。

小学校に通わずある程度の年齢になった子どもは、小学校に通うのも年齢的なギャップから難しく、中学に入ることもできない。そのため、ユニセフでは10〜15歳で教育を受けていない子供を対象とした学校外教育を試験的にいくつかの地域で始める予定である。

子どもが自分達の能力を開花させ、国の将来の担い手となれるよう、一日もはやくすべての子どもが教育を受けられるようにする、それがミャンマーの人々の願いでもある。

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