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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

ジャキー・チェン ユニセフ親善大使
人身売買の被害に遭ったミャンマーの子どもたちを訪問

【2012年7月11日 ミャンマー・ヤンゴン発】

ザウくん(12歳)は、未来を築こうとしています。人生は、彼にとっていつも優しいものではありませんでした。ザウくんは、町へ物を無心しに行ったときに、人身売買の被害に遭い、マレーシアに連れて行かれたのです。

しかし、ザウくんはこうした経験を克服するために、一生懸命努力しています。先週、ザウくんは、わくわくする出来事がありました。憧れの人物のひとり、俳優で武道家でもある、ユニセフ親善大使のジャッキー・チェンさんと面会したのです。

子どもたちの強さに刺激を受ける

© UNICEF Myanmar/2012/Wong

ミャンマーのマンダレーで人身売買の被害を受けた子どもたちのための宿舎で、人身売買根絶についてのメッセージを送るジャッキー・チェン親善大使。

特別センターでは、ザウくんとその他の人身売買の被害に遭った子どもたちが、チェン親善大使に自分たちの経験を語りました。その中のひとりのミミさんは、2回も人身売買の被害に遭ったと話しました。一度目は、10歳の時。そして2回目は、17歳の時です。ユニセフの支援を受けて、ザウくんとミミさんは新しい技術を身につけ、家族と再び一緒に生活しながら、現在、恐ろしい経験を克服しつつあります。

幼い子どもたちが、将来の希望や夢について話すと、チェン大使は、子どもたちを励まし、サポートを申し出るとともに、身を守る方法についても話しました。

チェン大使は、子どもたちの話しに感動していました。「みなさんは、なんて勇敢で強いのでしょう。とても悪い人たちに恐ろしいことをされましたが、彼らでさえ前に進もうとするみなさんを止めることはできません」「みなさんは、今ここで、自分自身で新しい人生を築こうとしています。私は、深く感銘を受けました」(チェン大使)

教育が子どもの保護の鍵

© UNICEF Myanmar/2012/Hlaing Moe

ミャンマーでノンフォーマル教育を受けているチャオチャオさん(13歳)とジャッキー・チェン ユニセフ親善大使。チャオチャオさんは、家計を助けるために、茶摘みをして働いている。

マンダレーでの視察中、チェン大使は、特に人身売買の被害に遭いやすい弱い立場に置かれた子どもたちを訪問。学校、コミュニティセンター、養護施設を訪れ、路上で暮らしている子どもたちにも会いました。こうした子どもは、学校に通わずに働き、家族と一緒に暮らしていません。また、HIVと共に生きる子どもや障害のある子どもとも面会しました。

ノンフォーマル教育を受けているチャオチャオさん(13歳)は、毎朝、母親を助けて1日2ドル稼ぐことができるお茶摘みの仕事をしているため、午後の授業に参加していると説明しました。

また、修道院で暮らしているマグマグくん(9歳)にも会いました。マグマグくんは、いまだに民族紛争が継続している地域の出身。両親は、マグマグくんの安全を確保し教育を受けさせるために、遠く離れたこの場所に彼を預けているのです。

© UNICEF Myanmar/2012/Wong

ミャンマーのマンダレーにある修道院で、チェン大使とユニセフのスタッフを誘導するマグマグくん(9歳)。

チェン大使は、出会った子どもたち全員に重要なメッセージを届けました。「学校に通い続けて、一生懸命勉強してください」「教育は、悪い人たちから自分自身を守るための最善の方法です。悪い人たちは、みなさんを騙そうと、たくさんの罠を仕掛けてくるでしょう。彼らよりも頭が良くならなくてはなりません」チェン大使はこう話しました。

私たちの子どもは、売り物じゃない

チェン大使は、訪問した子どもたちだけでなく、何百人ものミャンマーのファンからも歓迎を受けました。チェン大使は、ファンの人々と人身売買についての問題を考えることができてうれしく思っています。

首都ヤンゴンで開かれた今回の視察についての記者会見で、チェン大使は、彼自身が人身売買と闘うことを改めて約束し、報道関係者に支援を求めました。「全ての実際の人身売買の話を広め、この問題について、できる限り話してください」「こうした恐ろしい犯罪を公にする必要があります。私たちの子どもたちは、売り物ではありません」チェン大使はこう訴えました。

*記事内の子どもの名前は全て仮名です

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