ネパール 洪水被災地にユニセフ救援物資が届く
【2007年9月19日 ネパール・ネパールガンジ発】
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© UNICEF Nepal/2007/ Joshi |
洪水で、全てを失った人々は、食料支援に頼っている。 |
ドゥンドフワ川の氾濫は、3週間前に沈静化しましたが、被災地では、その爪跡がいまだに深く残っています。ラジャラムプル村では、家屋も蓄えていた食糧もほとんど流されてしまいました。
「洪水で自宅を流されてしまったあるご夫婦とお話しました。食糧も、豚やヤギなどの家畜も、全てを失ってしまったそうです。」 ユニセフ・ネパール事務所のジリアン・メルソプ代表はこう伝えます。スウォレン川の氾濫で、たくさんの家が押し流されてしまいましたが、泥と草ぶきでできた家は、一瞬のうちに押し潰されてしまいました。ネパールでも、最も貧しい人々が一番被害に遭いました。この地域の人々の生計を支えていた田畑も、破壊されてしまいました。
「収穫が消えてしまいました。」と話すのは地元赤十字のラメシュ・トリパシィさん。「作物は、洪水の被害で壊滅状態です。もし残っていたとしても、家畜用の飼として使えるくらいでしょうか。」
およそ250人の人々が、村役場に避難し、三日間、雨が止んで水が引くのを待ちました。「川が増水して土手に達したのを見て、すぐに家から出ました。」と語るのは2人の小さな子どもを持つプフルマティ・コリさん。「子どもたちを探し出して、村の他の人たちと一緒に村役場へ急ぎました。」
必須物資を提供
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洪水被害を受けたパダナハ村の人々に、蚊帳や必須物資を配布するユニセフ職員。 |
この地域では、モンスーンの時期の洪水はめずらしいことではありません。通常であれば、洪水とうまくつきあうことができるのです。でも、洪水が激しくなると、高台へ逃れることしかできません。
「高いところへ穀物を貯蔵し、家から持ち出したものは、天井から吊るしました。」こう語るのは、パダナハ村から避難してきたターグさんです。「今回は、みんなで以前村の中に造っておいた『やぐら』の上で、洪水が過ぎ去るのを待ちました。でも、3時間を過ぎても水嵩が増しているのに気が着き、村を捨ててきたのです。」
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パダナハ村へいくためにバビ川を渡る、ユニセフ・ネパール事務所ジリアン・メルソプ代表。 |
ユニセフは、家から離れることを余儀なくされた多くの村人に、緊急支援物資として様々な生活必需品を提供しました。 また、政府や赤十字社と協力し、浄水錠剤だけでなく、衛生キット、毛布、防水シート、蚊帳なども提供しました。メルソプ代表も、バンケ地区、バルディヤ地区の村に数箇所ある救援拠点センターでの物資配給活動に参加しました。
「多くの人々は 日雇いの労働者です。生計を立てていた土地が破壊された彼らは、今、国連などが配給する食糧に頼るしかありません。さらに、彼らは、川に最も近い、最も貧困な地域に住んでいた人々です。つまり、洪水で全てを失った彼らに、新しい生活をはじめる手段は殆ど残されていません。このような洪水が起こったら、彼らは本当に何もないところへ戻らなければならないのです。」メルソプ代表は、こう現状を伝えてきました。
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