メニューをスキップ
HOME > 世界の子どもたち > ストーリーを読む
財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

ニジェール:ポリオ予防接種キャンペーン開始の準備に向けて


【2009年2月27日 ニジェール発】

アフリカ西部で2月27日に同時に開始されるポリオ予防接種キャンペーン。その開始直前、二ジェールでは、伝統的および宗教的リーダーたちが本キャンペーンの広報活動を率先して行っています。

重要な話し合い
© UNICEF Niger/2009/Bisin
宗教的リーダーのマランガニ・マハマさんは、カダマリ村のポリオ予防接種の重要性について、伝統的リーダーと家長に話をしている。

宗教的リーダーのマランガニ・マハマさんは、ニジェール南東部ジンデル地区のカダマリ村の伝統的リーダーが集まる集会に参加し、この予防接種キャンペーンの重要性を伝えるため、村に向かっています。マハマさんは、村の長老たちの中には、予防接種の重要性を理解してもらうことが難しい人もいることを知っています。

「皆さんもご存知の通り、もうすぐニジェールでポリオの予防接種キャンペーンが開始されます」と、マハマさんは話し始めました。「昨年、この村の数世帯の家族が、子どもたちに予防接種を受けさせることを拒否しました。予防接種は何の問題もない安全なものであることを、私が責任を持って保証します。予防接種は、体を衰弱させる病気から子どもたちを守る唯一の方法なのです。」

こうして、重要な話し合いが始まりました。

ポリオ予防接種についての誤解

子どもたちへの予防接種を拒み続ける親が多いニジェール南東部の保守的な地域では、保健員たちは、長年困難に直面してきました。経口ワクチンはおとなになったときに性的不全になったり、その他の障害を引き起こすものだと信じられているのです。

「私たちの村では、予防接種を受けさせると、耳が聞こえなくなったり、子どもたちが言うことをきかなくなると思い込まれています。」カダマリ村の有力者のひとり、ラミネ・マトさんは話します。「こうした理由のために、父親は子どもたちへの予防接種を拒否しているのです。しかし、女性たちが子どもたちの予防接種に反対したことはありません。」

カダマリ村は、ジンデルで、2008年のポリオ予防接種キャンペーン期間中、予防接種を拒否した人が報告された10の村のひとつ。しかし、今年は何らかの改善が見られているようです。

コミュニティへの感化
© UNICEF Niger/2009/Bisin
カダマリ村の伝統的リーダーと長老たちの集会。

マハマさんは、ポリオ予防接種の重要性をコミュニティに伝えるため、2008年、ユニセフの支援によって訓練を受けた2,400人の伝統的および宗教的リーダーのひとりです。

「幸運にも、カダマリ村のリーダーたちは子どもたちへの予防接種の重要性を理解してくれました。きっとキャンペーンが開始されたら、村にポリオ予防接種チームを受け入れてくれることでしょう。」

このキャンペーンに先立ち、3000人以上のコミュニティ普及員が戸別訪問し、親たちに予防接種の効能について説明し、予防接種チームを快く迎えるように話して回りました。

ほとんどの場合、こうしたコミュニティ普及員は女性です。しかし、イスラム教の保守的な体制が現行されている地域(ハウサ語で「閉じ込められた女性たちの村という意味」のイアン コーブレ村のような村)では、男性のコミュニティ普及員が村を回っています。

カダマリ村での目標達成の兆し
© UNICEF Niger/2009/Bisin
ニジェールのジンデルにあるカダマリ村に暮らすバルキ・ガルバさん(28歳)は4人の子どもの母親。ガルバさんはポリオの予防接種を子どもたち全員に受けさせた。

コミュニティ普及員たちのこうした努力によって、カダマリ村は全ての子どもたちへ予防接種を提供するという目標達成に向かって順調に進んでいます。村の数世帯では、すでにポリオの予防接種が行われました。

「予防接種キャンペーンが行われているときはいつでも、女性は子どもたちに予防接種を受けさせるためにキャンペーンに参加するべきです。」4人の母親であるバルキ・ガルバさん(28歳)は話しました。「子どもたちが病気になると、家族全員の問題になりますから。」

ラジオ放送やテレビスポットなどのメディアを通じたキャンペーンも行っており、こうした活動によりポリオ予防接種を受けさせる親の数が増加しています。

ユニセフの支援受け、ニジェールの保健省がWHOやその他のパートーナーと共に1997年から実施しているこの予防接種キャンペーンは、今回、1回目の実施期間中に470万以上の経口ワクチンが提供される予定になっています。本キャンペーンの目的は、420万人以上の5歳未満児に予防接種を受けさせることです。

本キャンペーンは、8カ国(ナイジェリア、ベナン、ブルキナファソ、コートジボワール、ガーナ、マリ、ニジェール、トーゴ)で、2回にわたり実施される予定です(1回目は2月27日〜3月2日、2回目は3月27日〜30日の予定)。

トップページへコーナートップへ戻る先頭に戻る