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ナイジェリア:村の衛生改善に努力する人たち【2008年11月12日 ナイジェリア・ウチ発】
ユニセフ・ナイジェリア事務所の坂井スオミ代表は、先日、ナイジェリア中東部のベヌエ州に位置するウチ・コミュニティ小学校を視察し、この小学校の改善された水と衛生施設を見て回りました。 学校の雰囲気は静かで、午後の強い日差しを和らげてくれる優しいそよ風が吹いていました。楽しげな手洗いの歌を嬉しそうに歌う子どもたちの声が、あちらこちらから聞こえてきました。 「手を洗うことは良いことです♪ 衛生は私たちに、きちんとすることを教えてくれました。丁寧に手を洗ってください。食事の前には、指の爪の汚れを落としてください。手を洗うことは良いことです♪」 新しい衛生施設は、地元政府が、ユニセフとウチ・コミュニティとの協力のもとで設置しました。 「手洗いを非常に真剣に行ってくれて、とても嬉しいです」と、学校の衛生施設を視察した後、坂井代表は生徒たちに話しました。 改善された衛生施設の視察 ウチ小学校の在校生は、女子239名、男子237名で、改善されたトイレは、男女別に作られています。 トイレのすぐ脇には、子どもたちが手を洗えるよう、手洗い場が数箇所設けられています。きれいな水は、ユニセフの支援によって作られた掘り抜き井戸から汲み上げられています。 視察が終わると、生徒たちは、坂井代表に、きちんと手を洗う方法を見せてくれました。 坂井代表は、子どもたちが正しく手を洗うという行動を通して、正しい衛生知識を学べるのはほんとうにいいことです、と嬉しそうに話しました。 「誰もが、健康に正しいことは何か、頭でも、心でも分かっています(でも、行動に結びつきません)。でも、子どものときから始めれば、習慣として身につきます」坂井代表は強調しました。 重要な役割を果たす子どもたち 728世帯が暮らすウチのコミュニティでも、かつては、手洗いや衛生はさほど優先的に扱われていませんでした。多くの家庭にはトイレがなく、過去には、屋外で排泄することが広く行われていました。結果として、子ども、そのほかの人たちも、衛生状態の悪さから、繰り返し下痢性疾患を患っていたのです。 国際衛生年である2008年も、残り約一ヵ月を残すだけとなりました。ウチ・コミュニティでは、現在、隣に手洗い場のついたトイレが106世帯に設置されています。 また、ウチ・コミュニティには、コミュニティの人々が共有するための換気付きの落とし込み式トイレが作られ、5,000人の住民たちに水を提供するため、17の掘り抜き井戸があります。 ナイジェリアでは、衛生改善に子どもたちが重要な役割を担っています。坂井代表は、子どもたちが手洗いの習慣を(学校だけでなく)家でも行って、家族やコミュニティの人々にこれを伝えることがいかに重要であるかについて述べました。 コミュニティの保健と衛生 ウチ・コミュニティの人たちが衛生に関心を持つようになった理由には、村まで出かけて衛生についての知識を広めている地元の支援チームの力があります。ユニセフは、州の「農村部給水・衛生機関」を支援し、女性たちに衛生の推進と環境衛生についての研修を実施しているのです。 こうした衛生推進に活躍する人々の努力は、ウチでのコミュニティ主導型の「衛生総合戦略」の採用につながりました。この戦略は、衛生面での努力をまっさきに「家庭」で行うというものです。 坂井代表は、コミュニティが、公衆衛生の問題を深刻に取り上げ、サービスの提供に自ら参加していることは素晴らしいことだと話しました。 地元のコミュニティ・リーダーのスポークスマンであるアヤンゲ・ヤンゲさんは、ウチのコミュニティがこれからも衛生施設の改善を目指して頑張ると力強く述べました。 「ここで気を抜くことはいたしません」ヤンゲさんは約束しました。「私たちは地道に活動を続けていきます。」 |