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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

パキスタン:モンスーンがもたらした大洪水
ユニセフ、緊急支援活動をスタート

【2012年9月28日 イスラマバード発】

ユニセフは、毎日、被災者18万3千人に安全な飲み水を供給。支援規模と内容を拡大するために、国際社会に緊急の資金提供を求めています。

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洪水に見舞われ、家財道具を運ぶ家族(2011年、シンド州)

ユニセフは、モンスーンがもたらした大雨で洪水被害に見舞われたパンジャブ州、バロチスタン州、シンド州で、被災者18万3千人を対象に安全な飲み水の配給を開始しました。ユニセフは、パキスタン政府とともに、被害が深刻な地域で緊急支援活動を展開しています。

政府と人道支援は、これまでに、人工衛星を使って被害状況の暫定評価(MIRA)を実施。衛星映像からは、15の地方で280万人が被災。うち半数が子どもで、さらにそのうちの39万2千人が5歳未満であることが推定されています。

「貧困地域の子どもたちが深刻な被害を受けており、直ちに支援が必要です」と、現地ユニセフ事務所のカレン・アレン副代表は言います。「ユニセフは、今後3−6ヶ月以内に支援を40万人規模に拡大します。安全な水の供給と衛生的な環境の確保、教育や子どもの保護、保健や栄養分野での支援を提供するため、154万米ドルの資金が緊急に必要です」(アレン副代表)

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避難キャンプで、ユニセフの支援する安全な飲料水を巨大な仮設の貯水タンクに補給している様子(2011年、シンド州)

ユニセフとパートナー団体は、現在、万が一の緊急支援活動に一時的に活用できる資金を利用し、バロチスタン州のジャファラバッドとナシラバードの12万人、パンジャブ地方のデラ・ガージ・カーンの4000人、そしてシンド州カシミールとジャコババードの5万9千人に、給水トラックを使って安全な水を届けています。

ジャコババードには、巨大な仮設の貯水タンクを設置。さらに、バロチスタン州シンド州とパンジャブ州で被災した2万3,200世帯には、石けんやタオル、浄水剤が入った「衛生キット」が配られ、また、水を安全に保管し水を媒介した感染症の予防のために、ポリタンクやバケツも配付されました。

2011年、洪水被害に見舞われ、仮設テントでの生活を余儀なくされている下痢に苦しむ3歳の男の子(パキスタン)

多くの家屋が倒壊したため、多くの人々が安全な水へのアクセスを失った状況です。このため、下痢やマラリア、はしか、ポリオ、肺炎などの感染症の発生が懸念されており、特にそうした脅威に脆弱な子どもたちの健康への影響が心配されています。ユニセフとパートナー団体は、安全な飲み水と衛生環境の確保のための活動だけでなく、子どもたちの命と健康を守るための政府の保健と栄養分野での活動を支援しています。

先述の衛星写真を使った被害の暫定評価によれば、深刻な被害を被った5つの地域で、施設の倒壊や避難所として使われているなどの理由から、この地域に住む子どもたちの4人中3人が、学校に行く機会を失っている状況です。ユニセフとパートナー団体は、子どもたちが安全な環境で勉強を続けられるよう、仮設の教室や“子どもに優しい空間”などの設置を計画。現在、その資金の到着を待っている状況です。

「今回被災した子どもたちの中には、過去3年の間に、破壊的な洪水を2〜3回経験した子どもたちも少なくありません。今回の洪水は、前回の洪水からの復興のプロセスも、また中断させてしまいました」とアレン副代表は言います。「政府とユニセフをはじめとする人道支援機関は、既に緊急支援活動をはじめていますが、今回の洪水で脆弱な立場へと追いやられた子どもたちやその家族が抱える大規模なニーズに継続的に応えてゆくためには、支援をさらに拡大し続ける必要があります。私たちがそのニーズに応えることができるよう、国際社会に、改めて、支援を呼びかけます」(アレン副代表)

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